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池宮彰一郎作品でデビュー作なんですね。
『四十七人の刺客』です。
討ち入りの時期を合わせて読んでみようと
目論見ましたが、ちょっと遅くなってしまいました。

忠臣蔵をお金と情報の謀略戦として
描きなおしたところは、斬新でした。
あとは、群像劇みたいなものを
期待すると、ダメかもしれませんね。
組立てが組み立てだけに、
大石内蔵助が軸となってしまい、
他の浪士たちがかすみがちです。

ライバルである上杉家が
幕閣との駆け引きなどにも
気を使うという側面や
浪士たちも多くの脱落者に
悩まされ続けるという面など
吉良邸討ち入りまでの
いきさつがやっぱり面白いですね。
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黒岩重吾作品の『磐舟の光芒』です。
蘇我馬子と物部守屋の
廃仏崇仏のあらそいを
おもに物部守屋視点で描いた作品です。

実際、物語は廃仏崇仏の裏に隠された
天皇家の後継争いとして展開していき、
敏達天皇、用明天皇、推古天皇と
続く古代の豪族たちの勢力争いが
浮かび上がってきます。

黒岩重吾作品に共通するのが
国際問題としての東アジア情勢でしょう。
物語の時代は、朝鮮三国の角逐や
隋の勃興前夜ということで、
不安定な情勢が日本にも影響を与えていたという
いかにも説得力のある視点です。
2013.12.01 『西行花伝』
辻邦生作品の大作『西行花伝』です。
新潮文庫で非常に厚みのあるのが特徴です。

弟子の藤原秋実が取材した
師西行の言行や西行自身の語りなどで
西行法師の生涯を追うという体裁で
物語が進んでいきます。

待賢門院との恋や保元の乱などが
中心となって構成されており、
その中から歌、いいかえると文化の力を
信じて行動を起こしていく西行が
印象的な作品です。

なにげない自然、人々の暮らしに
美しさを見出し、仲間たちとともに
歌を作っていくという側面と
出家の身でも俗事にも取り組んでいく側面と
色々な人が語り部となることで
重層的に浮かび上がるようになっています。

文章自体も美しく、この世とは何なのかを
考えさせられるような感じで、
大変な力作となっています。
なんというか、オトナな作品です。
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