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2012.11.27 いっぽん桜
山本一力短編集の『いっぽん桜』です。
4つの物語が収められています。

『いっぽん桜』
『萩ゆれて』
『そこに、すいかずら』
『芒種のあさがお』

なかでも好きな作品は、『萩ゆれて』。
武士をやめて漁師になろうとする
服部兵庫という若者の話です。

父の汚名を晴らすことができないまま
浜辺で傷心をいやす兵庫が
出会ったのは、海女のりく。
2人は互いに惹かれあうようになります。
家族のきずなを描いた作品で、
涙腺を刺激してくれます。

リストラされてしまう番頭を描いた表題作、
娘を思ってつくった雛飾りにまつわる『そこに、すいかずら』。
嫁ぎ先との格闘をつづった『芒種のあさがお』。
どれも花にまつわる4つのお話です。
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山本周五郎作品の『ちいさこべ』です。

4つの作品が収録されています。
『花筵』
『ちいさこべ』
『ちくしょう谷』
『へちまの木』

『へちまの木』は、戦前の『陽気な客』が
現代ものとして発表された筋立てを
下町ものとして仕立て直した作品です。
仕立て直す過程で、
いろいろな作品のエッセンスが
入ってきています。たとえば、
主人公がお酒などを飲んで記憶を失う場面がありますが、
自分で植えた木を自分で切ってしまう
『あとのない仮名』を連想させます。

表題作『ちいさこべ』は、
大工の棟梁が苦難の道を歩いていく姿を
描いた作品です。
みなしごたちを引き受けて、
大火からの復興を目指します。
明るい感じの作品です。

『花筵』は夫と生き別れになり、
子供を失ってしまう悲しみを乗り越えていく
女性の姿を描いた作品、
『ちくしょう谷』は、誰もが敬遠する
藩から疎外された集落を人間性あるムラに
返そうとする過程で、兄の仇をゆるす姿を描いた作品です。

言葉足らずでうまく表現できないのが
もどかしいですが、佳作ぞろいの作品集です。
大作もとうとう最終です。
『ローマ人の物語 ローマ世界の終焉』で
文庫通巻で言うと、41~43巻となります。

だいたい3年くらいかけて読んできたわけですが、
感慨深いものがあったり、なかったりです。

テオドシウス帝以後、ローマ帝国は
東西分裂してしまい、紀元476年に西ローマ帝国は
消滅してしまいます。
その後のだいたい100年くらいまで
描いてこのお話はピリオドとなります。
実際には、東ローマ帝国が1453年まで続きますが。

絢爛たる多神教の世界がキリスト教世界に変わっていく
過程でローマ帝国らしい価値観も少しずつ変わっていき
中世へと突入していくわけですね。
いろんな国のたくさんの研究者が
ローマ帝国について調べていると思うので、
機会があったら、勉強したいです。

個人的な感想で言うと、
やはり興隆に向かう共和政、元首政の初期が
いちばんおもしろいと感じています。
2012.11.08 『黒揚羽』
「ぐずろ兵衛うにゃ桜」シリーズより
第2弾の作品『黒揚羽』です。

ぼーっとしている岡っ引きの六兵衛が
店番しているときに、
妻の父から預かっていた小判を盗まれてしまい
そこから事件がつながっていきます。

六兵衛が大屋をしている
蛇骨長屋の面々の正体、
「黒揚羽」をなのる盗っ人と
妻の父、庄左衛門との関係や
抜け荷をめぐる陰謀など、
最後の大団円にいたるまでが
なかなか面白く読めると思います。

エンターテインメント性の高い作品です。
本日2回目の更新は、
佐藤雅美作品の『手跡指南神山慎吾』です。

寺子屋の師匠をしている神山慎吾は
豊後にある小さな藩の家老の息子です。
現在の生活に満足しているものの、
周りからの勧めや感情のもつれなどから
心ならずも故郷に帰り
父を失脚させた事件の真相を究明し、
家老復帰を目指すことになります。

協力者と思っていた人の勘違いや
前の殿様のわがままなどで
なかなか思い通りにならない探索など
先が読めない展開となっていて、
なかなか読むのをやめられなくなってしまいます。

当時の寺子屋の様子や
藩政の様子などもわかって、面白い作品です。
2012.11.01 『霧のはて』
藤沢周平の捕り物作品『霧のはて』です。
副題は「神谷玄次郎捕物控」となっています。

主人公の玄次郎は、八丁堀の定廻り同心。
見習い同心時代に母と妹が殺され、その失意で
父をも失ってしまった過去から
あんまり仕事にはまじめに取り組みませんが、
殺人事件などの解決に非常な冴えをみせる
という複雑な人物です。

江戸の町に次々と起こる事件を
解決しながら、家族を失ってしまった
事件の謎へと迫っていきます。

連作短編集なのですが、
かなり面白い作品となっております。
数多い藤沢作品の中でも、
八丁堀の同心の捕物が正面に据えられているのは
この作品だけで、ちょっと残念な気もしますが、
魅力的な人物造型やミステリーが
読書スピードを速くしてくれます。

秋の夜長にぴったりなんじゃないでしょうか。
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