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子母澤寛作品の『父子鷹』です。
続編にあたる『おとこ鷹』のほうは未入手で
続きを読みたいです。
ラストがプツッと切れていますから。

主人公は、勝海舟の父である勝小吉。
幕府の御家人ですが、出世の芽を
棒に振ってしまって
本所深川の人たちに愛されて過ごしています。
それは、義理人情に篤い人柄だから。
というわけで、土地の顔役みたいになっています。

この作品からは、江戸末期の空気感が
非常に読み取ることができて、
人々の暮らしが身近に感じられます。
とくに、市井の人々とのやりとりなども
読んでいて、たのしいです。

上下巻で非常に長いですし、
昔の作品なので、漢字の訓読みが難しい部分がありますが
内容自体は面白く読めるはずです。
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乙川優三郎短編集の『闇の華たち』です。
6つの短編が収録されています。

『花映る』
『男の縁』
『悪名』
『笹の雪』
『面影』
『冬の華』

どれもしっとりとしたという表現がぴったりで
堪能できる作品ばかりでした。

とくに好きだったのは『悪名』でしょうか。
幼馴染の茶屋の女中で、元武家の娘だった多野と
汚職が原因でおちぶれている重四郎。
苦労の多い暮らしの中で、多野にとっては
悪名を得ている重四郎が気にかかる存在です。
実は、重四郎は藩主の名を受けていて…というストーリー。
抑制された感情が見事に描かれています。

また、この話はハッピーエンドなのですが
わかりやすいハッピーエンドは、
乙川優三郎作品では珍しいもんですから
余計印象に残りました。

あとは、桜田門外の変にかかわる話の『面影』。
水戸藩の隣藩だった佐倉藩士のストーリーテラーで、
幕末の動乱を、また違った側面から読めます。

ほんとうに、管理人が注目している
作家のひとりですが、
作品数が限られています。
たくさん読みたいんですけどね。
佐藤雅美作品の『信長』です。
この作品は書下ろしのようでして、
文庫には解説がありません。

尾張統一から本能寺の変まで、
信長の生涯を描いた作品です。
作者の特性でしょうが、
あっさり感があります。

とくに、前半の尾張統一が長く書かれていて
管理人としては、面白く感じました。
もともと同族だった、犬山、岩倉などとの
抗争がよくわかります。

このあたり、坂口安吾『信長』と
併せて読むといいかもしれません。
また途中からは、『楼岸夢一定』と
内容が一部重なりますが
同じ作者の作品ですので、想定内です。
遠藤周作作品の『王の挽歌』です。
九州の戦国大名、大友宗麟が主人公の作品です。

生まれながらの名家の跡継ぎは
家督争い、家臣の裏切りなどで
猜疑心の塊のような心の持ち主に成長し、
心の救いを求めてキリスト教入信を果たします。

叛いた家臣の妻を手籠めにする一方
宗教に大きく心を傾けるなど
振幅の大きい心情をもつ宗麟。
かなり重たいテーマです。

広い領国を治めることが手に余るようになり、
豊臣秀吉の九州征伐を仰ぎますが、
宗麟の死後には、大友家の本国豊後も失います。

歯ごたえのある内容で、
読むのに時間はかかりましたが
心理描写が非常に巧みで面白い作品です。
戦国時代の作品を続けて読んでます。
岩井三四二『逆ろうて候』です。

主人公は美濃の侍、日根野弘就。
斎藤家に仕えた後、浪人して
今川家、浅井家、本願寺、織田家と
主人を転々と替えていきます。

若いころの織田信長を、何度も
撃退してきたことから信長をライバル視、
本願寺の長島一揆に加わるまでは
織田陣営に反抗続けます。

侍の日常の仕事などが細かく描かれ、
浅井家を退転した理由が
領地のいさかいが原因になっているなど
戦争ばかりが侍の仕事では
なかったことも取り上げられていますし、
浪人の悲哀なども、興味深く書かれています。

また違った戦国時代の一面が見られますよ。
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