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2012.07.31 『落日燃ゆ』
昭和初期から太平洋戦争の日本が舞台の
城山三郎『落日燃ゆ』です。

主人公は、総理大臣経験者で
外交官の広田弘毅です。
昭和初期に文官から首相になった人は
少ないようですね。

軍人の独走に歯止めをかけようと
奔走しますが、特に陸軍の妨害により
戦争に引きずられていくさま、
そして、東京裁判での潔い姿などが印象的です。

挙国一致で戦争に突き進んだわけではなく、
この主人公のように、平和善隣外交を
めざしたコースもあったのですが、
時代に呑み込まれてしまったんですね。

文章自体は淡々と進んでいくのですが、
特に東京裁判のラストが感動的です。
何年か前にテレビ化されたようですね。
管理人は未見でございます。
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西洋を舞台にした歴史・時代小説です。
『双頭の鷲』。佐藤賢一作品です。

たしかアルバニアの国旗に
双頭の鷲がかたどられていたと
記憶しておりますが。
ヨーロッパでは何か、伝説とかあるんでしょうか。
自分で調べろよという話ですが。

一方、本作品の双頭の鷲は
主人公、ベルトラン・デュ・ゲクランの
紋章を意味しております。
英仏百年戦争前半のフランスの英雄です。

傭兵隊長から大元帥にまで昇り詰めた人物ですが
子どもがそのまま大人になったような感じで
その性格がいろいろな波紋を巻き起こしつつも
戦争では連戦連勝。
国土の半分以上をイギリス陣営に
占拠されつつも、大逆転を果たします。

ヨーロッパの歴史を知らなくても
非常に楽しめる作品ですが、
ヨーロッパ式の封建制度や時代背景がわかると
さらに深く味わえると思います。
そこにおススメなのが
同じ作者が書いた、新書『英仏百年戦争』です。
小説ではありませんが、
併せて読むと、役立つと思いますよ。

また、ストーリーテリングは
デュ・ゲクランをとりまく人々によってされており、
登場人物の多彩さも面白味の一つと思います。

下ネタが多いのに難がありますが、
管理人的には、この作者の傑作だと思います。
ライトでポップな読書にぴったりの
米村圭伍作品『退屈姫君海を渡る』です。
『退屈姫君伝』の続編となっております。

夫の風見藩主、直重が行方不明になり、
めだか姫が国元に帰って大活躍というストーリーです。
当時、藩主の正室は江戸に住むことになっていますので
ほんとうはありえないことなんですけれどもね。

詳しくは書きませんが、話もひねってあって
退屈しないと思います。
前にも書いたと思いますが、
下ネタが多いのが好みの分かれ目の一つでしょうか。
管理人的には全然許容の範囲ですが。

すでに、さらなる続編も発行されています。
続けて読むと面白いんじゃないでしょうか。
個人的には、第3弾は未入手ですけどね。
山本周五郎短編集の『人情裏長屋』です。
11作品が収められています。

『おもかげ抄』
『三年目』
『風流化物屋敷』
『人情裏長屋』
『泥棒と若殿』
『長屋天一坊』
『ゆうれい貸屋』
『雪の上の霜』
『秋の駕籠』
『豹』
『麦藁帽子』

市井ものの作品がほとんどで、
シリアスな作品は少ないので非常に楽しいです。
作者が登場するカタチの
『風流化物屋敷』や『長屋天一坊』、
『ゆうれい貸屋』なんかは
読んでいて、ニヤケテしまいます。

また、人それぞれの「分」を守って
生きていくことはすばらしいことであるという
作者がいろいろな作品を通じて伝えている
共通のメッセージが、さりげなく込められている
『泥棒と若殿』なんかも面白いです。

何年か前に映画化された『雨あがる』の続編
『雪の上の霜』なども入っていますので、
これは続けて読むほうがいいかもしれません。

さいごに、『豹』『麦藁帽子』は現代ものです。
最近は、幕末ものばかり読んでます。
というわけで、司馬遼太郎作品で
新選組、土方歳三が主人公の『燃えよ剣』です。

幕末から維新にかけて、
幕府を支える側として活躍した新選組。
新選組の組織的な活動に暗躍したのが
土方歳三という人です。

そのせいか、近藤、沖田以外の隊士のエピソードは
やや少なめですが、架空の人物を織り交ぜながら
土方歳三の生き様を追います。

帰東後の京都以来の隊士たちが、
それぞれの道へ進んでいった後の
土方の行動がかなり描かれていますので、
そういう意味でも、面白いです。
連休の間に、集中して読書しましたので
怒涛の本日3回目更新です。
みをつくし料理帖シリーズから『小夜しぐれ』。

「つるや」の主人、種市の悲しい過去が
心に痛かったり、伊勢屋の美緒に縁談があったりと
シリーズの5作目となり
いろいろなことが次々と起こっていきます。
そんななか、吉原で店を出してはどうかという
誘いまで出てきます。

そして、今回は小松原さまが主人公の
一編まで登場します。
ちょっと風情が変わって、これも面白いです。

この連作短編集は、年に1度発行されます。
待ち遠しいひとが多いんじゃないかなと思いますね。
木内昇作品の『新選組 幕末の青嵐』です。
このたび、はじめて木内昇作品を読みました。
名前から男性を想像していましたが、
女性作家なんだそうです。
解説を読むまで、知りませんでした。

主人公は、新選組そのものです。
土方歳三視点、沖田総司視点、斎藤一視点と
いろんな角度から新選組が語られます。

おもに上方での活躍を中心として
鳥羽伏見で負けるくらいまでが描かれ、
最後の1章で函館までの動きが語られます。

若者の集団だった新選組が
いろんな人の思惑が積み上げられた
組織だったということや
そのなかで、若者たちがもがいていたことなど
タイトルのように、青春群像として読めると思います。

ストーリーテリングは、
新選組にかかわる人物の視点で
1章ごとにコロコロと変わっていくスタイルで、
いろんな人物を重層的に読むことができます。
新選組のことを、ほかの小説で知ってから
この作品を読むと、かなり面白いと思います。
この作品自体だけでも、新選組が十分わかりますけどね。
海音寺潮五郎作品の『幕末動乱の男たち』。
上巻に続き、下巻も読了しました。

『吉田松陰』
『山岡鉄舟』
『大久保利通』
『三刺客伝』

下巻は、以上の6人の人物についての史伝です。
ちなみに『三刺客伝』は
田中新兵衛、岡田以蔵、河上彦斎の3人。

山岡鉄舟は江戸の町を救った人物なので
もっと取り上げられてもよさそうなもんですが
幕府側の人間ということもあり、
なかなか正面に取り上げられません。
そんな人物の史伝というのは、
なかなかお目にかかれませんので
そういう意味でも価値がありますね。

また、『三刺客伝』の河上彦斎も
佐久間象山を暗殺したことで有名ですが、
その後の経歴も、この人なりに
筋を通していたことを初めて知りました。

ほんとうは、もっとたくさんの人物を
史伝にまとめる予定だったそうですが、
何かの事情でできなかったとの由。
残念でなりませんね。
歴史・時代小説のなかでも
史伝文学というジャンルに入ります。
海音寺潮五郎作品の『幕末動乱の男たち』です。
今回は、そのうちの上巻です。

『有馬新七』
『平野国臣』
『清河八郎』
『長野主膳』
『武市半平太』
『小栗上野介』

以上の6人が取り上げられています。
偶然なのかどうなのか、
この6人ともに非業の死を遂げております。
たぶん、何か作者の意図があるんでしょうね。

脚色がほとんどされていませんので、
読書のスピードは落ちますが
それぞれの人物について興が深いです。

芸術家肌で妙な風体でも人に好かれる『平野国臣』。
井伊大老を陰で操り、ミステリアスなのが『長野主膳』。
階級の差が激しい土佐にあってもがき苦しむ『武市半平太』。
あたりが面白く感じました。

古い作品で、一度絶版となりここ何年かで
復刻された作品です。
読書のお供にちょうどいいです。
2012.07.09 『雷神の筒』
直木賞受賞作家、山本兼一作品の
歴史・時代小説『雷神の筒』です。
古本屋さんで100円で仕入れました。

早くから鉄砲に目をつけて、「名人」として
織田信長に指南をしたといわれる
橋本一巴が主人公です。
管理人は寡聞にして、この作品を読むまで
全然知りませんでした。

鉄砲とそれに不可欠な塩硝の道を探り
砲術にも磨きをかける一巴ですが
次第に信長に疎まれ、悩みの中で生きた人物として
描かれていきます。

全体的に読みやすく、また、
火器の面からの戦国時代を知ることができるので
なかなか興味深い作品でした。

管理人は未読ですが、一巴のライバルとして
この作品に登場してくる、雑賀孫市が主人公の
司馬遼太郎長編の『尻啖え孫市』を
読んでみたい気になりました。
2012.07.09 『将軍の星』
宮本昌孝作品の短編集『将軍の星』です。
サブタイトルは「義輝異聞」となっており、
『剣豪将軍義輝』のスピンオフが含まれています。

『前髪公方』
『妄執の人』
『紅楓子の恋』
『丹波の黒豆』
『将軍の星』
『遺恩』
『三好検校』

『丹波の黒豆』以後の4つの作品は
「義輝異聞」とついております。

一番の出来だと思えるのは、『遺恩』でしょうか。
義輝死後の明智十兵衛、細川与一郎が
義昭を抱えて逃亡生活を送ります。
その間に、義輝に受けた恩義を返してくれる
たくさんの人々。
『剣豪将軍義輝』を読んでいれば
面白さ倍増です。

あとは山本勘助が主人公の『紅楓子の恋』も
個人的には気に入っています。
信玄の正室とのプラトニックな恋。
戦国版美女と野獣とでも申しましょうか。

購入時の話ですが、管理人自身は何も知らずに
こちらのほうを先に読んでしまい
どえらい後悔をしたことがあります。
やはり本編あってこその「義輝異聞」です。
歴史・時代小説を紹介するこのブログ。
今回は、宮本昌孝作品の代表作のひとつ、
『剣豪将軍義輝』です。
全3巻で、それぞれ「鳳雛の太刀」、「孤雲の太刀」、
「流星の太刀」と名付けられています。

上巻では権力闘争に巻き込まれる少年時代、
中巻では剣の修行に打ち込む青年時代、
下巻では暗殺されるまでの時代と分かれています。

権力に翻弄される足利将軍家、
そのなかで爽やかな人柄と超人的な剣技で
出会う人々を魅了していく13代将軍の義輝。
恋あり、ライバルあり、仲間があり、剣戟ありと
読んでいて心躍る作品となっています。

義輝を取り巻く人々、朽木鯉九郎や
忍びの浮橋、明智十兵衛、細川与一郎など
実在の人物からフィクションの人物までも
かなり魅力的に描かれています。

敵役が松永久秀です。この作品ではない
何かの作品の解説にあったと思いますが、
この敵役が「小物」だという指摘があるのを
読んだことがあります。
まあ、そこはノーコメントですが
面白い作品であることは間違いありません。

あと、余談ですが
海道龍一朗作品の『乱世疾走』という作品を
以前に紹介したことがありますが、
その主人公の一人である立入宗継、丸目蔵人などが
かなりなチョイ役で出てきます。
併読するほどもないかもしれませんが、
いちおう、「おぉっ」と思ったのでご参考まで。
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