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2011.10.31 『生きる』
乙川優三郎作品で直木賞受賞作の
短編?中編?集の『生きる』です。
3つの作品が収められていまして、
管理人、がんじがらめマンからすると
短編なのかなと思っていますが、
文春解説では中編となっております。

『生きる』
『安穏河原』
『早梅記』

『生きる』は殉死を禁止された武士が
葛藤する様を家族の離散とあわせて描きます。
殉死できない葛藤が生む悲劇の連続と
それを乗り越えて感情が図太くなるという
せつない話です。

『安穏河原』は岡場所の女の芯の強さが
幼いころに体験した河原での一日だったという
原風景が人の生きがいになるという話。
個人的には、一番好きな作品ですね。

『早梅記』は余生を送る執政だった武士が
若いころを支え続けてくれた下女に出会うという話。
こう書くとわけがわかりませんが、
回想をたどっていくと、その下女が
どれだけ大切なひとだったのかに気づき、
また、変わらない心映えの下女に励まされるというストーリーです。

どの作品も一貫して暗いトーンです。
味わって読む作品と言えるでしょうか。
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2011.10.28 『菊月夜』
山本周五郎短編集の『菊月夜』。
全部で10編が収録されています。

『其角と山賊と殿様』
『柿』
『花宵』
『おもかげ』
『菊月夜』
『一領一筋』
『蜆谷』
『忍術千一夜』
『留さんとその女』
『蛮人』

『おもかげ』の解説文には
「『小説日本婦道記』シリーズに『母の顔』として
筆を改めている。併読をお勧めする」
というようなことが書いてありますが、
わたしの持っている新潮文庫の短編集、
『小説日本婦道記』にも『髪かざり』にも
『母の顔』という作品はありません。
ということで、併読ができない状況です。
昔は何かの短編集に収録されていたのかな?
読むことができず、残念です。

『菊月夜』に題名が似ている作品としては
新潮の短編集『夜明けの辻』に収録されている
『梅月夜』という作品があります。
仇討をモチーフにしているものの、
内容的にはだいぶ違います。

『留さんとその女』『蛮人』は現代もので
それ以外の8編はそれぞれに味があります。
なかでも、『一領一筋』と『忍術千一夜』の2作品は
こっけいものに分類できると思います。
読んでいて楽しい作品ですよ。
山本周五郎作品でこっけいものの
長編、『楽天旅日記』です。

この『楽天旅日記』は数ある山本周五郎作品でも
かなり笑えるという意味で面白い作品ですし、
権力をめぐる争いのむなしさを風刺した
作品となっております。

主人公の松阪順二郎は
大藩の嫡男で、一人では何一つできないように
育てられた若殿という設定です。
藩の世継ぎの座をめぐって
繰り広げられる陰謀と駆け引き。

若殿擁護派のなかの持家益造という
登場人物が非常にお気に入りです。
無知の塊である若殿を
若殿と知らずに自由自在に操ります。

新潮文庫の解説にもありますが、
山本周五郎という作家を生真面目一本と思っていると
かなりな「うっちゃり」をくらってしまうはず。
この作品は楽しく読みましょう。
佐藤雅美作品の半次捕物控シリーズから
第2作の『揚羽の蝶』です。

お奉行の頼みということで、
備前岡山まで出かけていくことになった半次。
お家騒動に巻き込まれてしまい、
とんだ災難に遭ってしまいます。

その真相を究明しているところに
半次の娘、お美代が人攫いに。
どうやってお美代をすくいだし、
真相を究明するか、というミステリー仕立てです。

読んでいて、そうとうドキドキしますし
かなりのエンターテイメント性です。
また、参勤交代の実態など江戸時代の風俗、
諸制度もばっちり勉強できます。

岡っ引き半次の活躍を楽しめる作品です。
2011.10.17 『波濤剣』
上田秀人作品で竜門の衛シリーズの『波濤剣』。
剣豪小説は、どうもあんまり好きではないのですが、
書下ろしシリーズが流行の昨今、
わたしもちゃっかりブームにのっかっちゃってます。

今回の『波濤剣』では、薩摩潜入から
沖縄まで行っちゃうというタイトル通りの内容となっています。
それこそ船で大海に漕ぎ出すという。

主人公の三田村元八郎は、父が殺されてしまったことから
次の新たな敵、田沼主殿とぶつかることになるという
次回作への期待値を高めてありました。

エンターテインメント色が濃い作品ですが、
琉球の歴史や元八郎が旅する場所場所の歴史なども
きっちりと書き込まれており、
それも魅力の一つとなっているんでしょうね。
高橋克彦作品で奥州三部作の
硬派な作品、『天を衝く』です。
全3巻の作品ですが、3日ほどで読み終えました。
このすぐ前に読んだ『新書太閤記』が
約1カ月で11巻だったことに比べると
われながら現金なもんです。

秀吉の天下統一事業に異を唱え
たった5千人で10万人もの軍を相手に
見事に戦った、九戸政実が主人公です。

他の三部作にも共通していますが、
主人公の圧倒的な強さ、読みの確かさで
相手を翻弄し、疲弊させたうえで
死に赴くというストーリーになっています。

敵役の南部信直、北信愛などの信直党
秀吉派遣の蒲生氏郷などは
ほとんどコテンパンと言っていいほど
情けない役を割り振られています。
九戸政実が強すぎるので、仕方ないですね。

迫力があって、面白い作品です。
やっと読了しました、『新書太閤記』。
ほぼ一カ月かけて読んだ感じですが、
どうしても、冗長に感じてしまい
なかなかページをめくる手が進みませんでした。

この吉川「太閤記」は、
徳川家臣従の一歩手前で終わっており
尻切れトンボの感がぬぐえません。
また、戦時中に書かれた作品だけに
本筋とは関係のない、君民一致を説く文章が
所々に挟まれており、
どんどん長くなる一方です。

そういった点を割り引いたうえで
また、オーソドックスな秀吉伝として読むのが
いいんじゃないかと思います。
わたくし自身がそもそも秀吉びいきではないという
ことも辛い点につながっているかもしれませんけど。
吉川英治作品の『新書太閤記』、
4巻から7巻を読むのにだいたい
10日くらいかかっております。

織田信長の武将として活躍する
時代がこの4冊には描かれており
7巻では運命の本能寺の変。

光秀の苦悩と逡巡、そして決行が
ほぼ1冊にわたってえがきだされています。
わたくし、がんじがらめマンは
昔で言う丹波亀山に在住しておりますので、
非常な興味を持って読みました。
といっても、もう3,4回は読んでますが。

非常に長い作品なので、
次回更新もかなりあとになりそうです。
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