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長い長いシリーズものこり2冊となりました。
八木荘司作品の『古代からの伝言 壬申の乱』です。

壬申の乱は、大化の改新と並んで
非常に有名なトピックであり、
古代最大の内乱でもあります。
そして、この作品でも基本的に
日本書紀に依拠してこの内乱が描かれています。

古代に関しては比較できるくらいたくさんの
文献が残っていないことと考古学的な
発見がつぎつぎとされていく中で定説が変わることも多く、
本当にいろいろな説がありまして、
この壬申の乱などもその最たるものの一つかもしれません。

王位をめぐる後継者争いというのが
大きな柱でありながら、
天智天皇が目指した改革路線を
継承しようとする大海人皇子と
反動勢力にかつがれた大友皇子との争いというのが
この作品での見解です。

壬申の乱くらい有名な話になってくると
作品化されている小説なども多いので
読み比べてみると面白いと思います。
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『古代からの伝言』シリーズは
乙巳の変から大化の改新の時代に突入です。
古代でも有名なトピックを藤原鎌足を
中心にした目線で描かれていきます。

春秋戦国時代の中国では
盟主が和を乱す国を討伐するというスタイルで
しばらく時代が動いていきますが、
この考え方をこの時代までの
大和朝廷の朝鮮半島政策に
援用するとわかりやすいです。

大化の改新で中央集権国家を目指したのも
隋や唐をお手本にしてできたことですし、
この時代に朝鮮半島情勢が
唐の台頭によって大和朝廷の不利に傾き、
最終的には白村江の戦いで大敗北して
朝鮮半島への影響力を失ってしまいます。

そして秦の始皇帝が陥ったように
日本でも巨大権力を集中した帝が亡くなると
内乱が勃発するという流れで
次の壬申の乱とつながっていきます。

歴史は繰り返すということでしょうかね~
『古代からの伝言』シリーズより
蘇我馬子、聖徳太子、推古天皇の時代を
描いた『日出づる国』です。
この巻が文庫化の一番最初だったようです。

周辺の人物にスポットを当てて
その当時の雰囲気や大和朝廷の政策を
浮き彫りにしていく手法で、
スルスルと読めます。

中国に統一国家が誕生してスーパーパワーの
実力を見せつける中、
聖徳太子、当時の厩戸皇子が
対等外交を展開しますが、
度重なる不運で、朝鮮半島情勢が厳しくなっていくという
理想と現実のギャップに苦しむさまが
教科書では教えてくれない部分であり、
その後の歴史展開に大きな意味を持ちますので、
そのあたりが活写されており興味深いです。
『古代からの伝言』シリーズの3冊目は
『悠久の大和』です。

皇統の断絶に直面する古代日本に
忠実な家臣団が皇位に招聘したのは継体天皇。
ということで、継体天皇から
崇峻天皇の即位直前までが描かれます。

磐井の乱、朝鮮半島情勢の悪化、
廃仏崇仏論争と試練の多い時代が
大伴、物部、蘇我といった
いくらかなじみのある名前もでてきますし、
小説風に話が進んでくるので
けっこう読みやすいです。

現代も皇族に男性が少ないというので
皇位継承問題が話題になった時期もありましたよね。
そんなことも、よく考えた方がいいと
思わせてくれる読書になります。
ちょっと小説とは呼べないのかもしれませんが
八木荘司作品の年代順でいえば2冊目
『古代からの伝言 民族の雄飛』です。

朝鮮の広開土王碑から読みとれる
古代日本の半島進出。
その中心だった神功皇后や武内宿禰の時代から
中国の歴史にでてきて有名な倭の五王までの時代です。

建国から13,4代を経て、対外関係に
力を入れることになった古代日本。
巨大古墳で有名な仁徳天皇などが有名ですね。

これまでの日本史研究で、かなり論争のある
古代史ですが、日本書紀の再評価ということも含め、
わたくしのような単なる歴史好きの
興味をそそる内容です。
八木荘司作品の『古代からの伝言』シリーズより
『日本建国』です。
文庫化は年代順ではなかったようですが、
年代が古い順に読んでます。

日本書紀をもとにして、小説のような
評論のような感じの作品になっています。

『日本建国』では、邪馬台国と今の天皇家の祖先が
対立する2つの「クニ」として描かれているのが
非常に印象的です。
神武東征から欠史八代のナゾまで
けっこう、説得力があります。
そして最後を飾るのが、ヤマトタケルです。
九州から関東にかけて勢力を伸ばしていく
様子が活写されており、
面白いシリーズです。
幕末を時代背景とする作品で
北方謙三作品の『独り群せず』です。
以前に紹介したことがある『杖下に死す』の
続編となっています。

大塩平八郎の乱から20年ほどのちの大阪。
武士を捨てた光武利之は
隠居して料理屋を細々と営んでいます。
孫に料理の修行をさせる日々。

同じく大塩の乱で活躍したとされる
町奉行所の筆頭与力、内山彦次郎は
混沌とする情勢の中で、大阪のことを
一番に考える役人。

この2人が黒船騒ぎや新選組の台頭などで
混乱する大阪を大塩の乱のように
町を焼け野原にしないためにどうするのか、
というようなストーリーです。

『杖下に死す』の続きで読まないと
これ1冊では堪能できないかもしれません。

対立するのが新選組ということで
これも以前紹介した土方歳三主役の
同じ作者による『黒龍の柩』とも
またちがった見方で捉えなおしているのも
面白い作品でした。
2011.07.07 『想い雲』
みをつくし料理帖シリーズの第3巻です。
連作短編の『想い雲』。

行方不明の元主人、佐兵衛の手がかりや
下足番のふきの弟が行方不明になる話など
いたわりあって生きる、「つるや」の人々や
澪に関わる人たち。
どの話も涙を誘う話ばかりです。

最近は、かなり涙腺がゆるんできている
がんじがらめマンです。
年齢を重ねると、そういうもんなのでしょうか。
この『想い雲』もかなり泣けました。
藤沢周平作品の連作短編集
『天保悪党伝』です。
歌舞伎や講談になっていた天保六花撰の
男女6人それぞれにまつわるエピソードを
連作にしています。

がんじがらめマンは
歌舞伎や講談にはあんまり興味がなくて
よく知らないままに読んでいましたが、
普通に娯楽作品として読みました。
さすが、ですね。

悪党伝ではありますが、
お金に詰まって悪に染まるとか、
喧嘩早い性格が災いしてとか
もともとは良民だったのが
何かのきっかけで道を外れてしまうというところも
うまく描かれています。

ただ、藤沢周平ファンでなければ
読まなくてもいいのかな、というのも正直なところ。
未読ですが、同じ題材で北原亞以子作品もあるようです。
2011.07.02 『栄花物語』
田沼意次をテーマにした山本周五郎作品の
『栄花物語』です。

主人公は、ニヒルな御家人くずれ青山信二郎と
生一本で御家人に婿入りした河井保之助。
2人の青年と関わる人々、そして田沼主殿頭意次の
群像劇のようなストーリーです。

粘り強く幕府の抜本的な改革を志す田沼主殿に
はじめは批判的だった主人公の2人も
その実像を知るにつれ、心惹かれるようになっていきます。
しかし、時代は田沼批判の真っただ中。
老中の地位から転落していく田沼主殿と
同じように転落していく信二郎と保之助。

盗人の田舎小僧、保之助の妻で信二郎の情婦だったその子、
意知に刃傷に及んだ佐野善佐衛門
そして、政敵である松平定信といった
たくさんの登場人物が話を飽きさせません。
最後には転落してしまうオチなので
暗さと言うのか、悲しみが漂う作品です。
が、田沼主殿はあくまでも信念を貫こうとします。
その孤高な姿がまた悲しい。

ちょっと読むのには気合いがいるかもしれませんが、
読み始めたら一気呵成です。
佐藤雅美作品の『田沼意次 主殿の税』です。

田沼意次のイメージはワイロ政治と
相場が決まっていますけれども、
今では見直しが進んでいるということで
この作品では、綿密な考証の末に
おそらく実像に近い田沼主殿が描かれていると思います。

もともと江戸時代という時代そのものが
悪く言うとワイロで成り立っていた世界ですので
必要以上に汚名をかぶっているし、
政敵だった松平定信から貶められているせいもありますし。

田沼主殿がお金に詰まって挙句の果てに
さまざまな改革をしていったというのが
この作者ならではの解釈にも見えます。
が、妙に説得力あるんですよね。  
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