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2010.12.27 『影刀』
予告していた通りですけど、
壬申の乱を主に扱った短編集です。
黒岩重吾作品の『影刀』。

『霧の慟哭』
『養老山の龍』
『影刀』
『無声刀』
『別離』
『左大臣の疑惑』
『捕鳥部万の死』

表題作の『影刀』と『無声刀』は連作です。
また、『捕鳥部万の死』のみは、
時代背景が物部と蘇我の
宗教をめぐる争いがあった時代となっています。
聖徳太子が活躍する少し前ですね。

一番の出来は、『別離』だと思います。
大友皇子とその妃であった十市皇女の夫婦仲を描きます。
ぎくしゃくした夫婦仲で
お互いに疎ましく思っている2人が
壬申の乱で心から結ばれるという話です。

他の作品は、壬申の乱に向けての事前工作に
携わる話が多く、『剣は湖都に燃ゆ』とも
通底する作品が多いかなと思います。
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古代をテーマにした作品を続けます。
黒岩重吾作品の短編集『剣は湖都に燃ゆ』です。

本当は、長編の『天の川の太陽』が読みたいんですけど
いまだに入手しておりません。
そこで、姉妹編の2冊を順番に読んでいきます。
まずは、この『剣は湖都に燃ゆ』です。

『黄泉の国は春の地に』
『夜明け前』
『近江の御前仕合』
『湖の影』
『阿騎野に燃ゆ』

どの作品も壬申の乱がテーマです。
壬申の乱の事前工作に従事するスパイが
主人公になっている短編が多いです。

『夜明け前』と『阿騎野に燃ゆ』はまさに
立場がちょうど逆の話になっていますので、
続けて読むと面白いですね。

間者の任務と恋に若い血を燃やしたということで
短編集のタイトルがつけられているみたいです。
永井路子短編集の『裸足の皇女』です。
皇女はひめみこと読みます。

だいたい天智天皇の治世から
藤原仲麻呂の乱の前あたりまでの時代がテーマの短編集です。
この時代は、政策論争ではなくまさに権力争いが
生々しい時代ですけれども、
生臭くなく物語化されています。

『冬の夜、じいの物語』
『裸足の皇女』
『もがり(列へんに賓)の庭』
『恋の奴』
『黒馬の来る夜』
『水城相聞』
『古りにしを』
『火の恋』
『妖壺招福』

真ん中あたりの『恋の奴』から『古りにしを』は連作短編となっていて
そのほかの5編は純粋な短編です。

蘇我氏から一旦天皇家へと遷った権力が
藤原氏へとまた遷っていくという過程において
女性が翻弄されたり、一定の役割を果たすということで
全編を通して興味深い作品集だと思います。

奈良時代に興味のある方は、読んでみてはいかがでしょうか?
国枝史郎作品の『神州纐纈城』です。
伝奇小説の源流をなす作品として語られることが多く
大きめの書店で発見したので買ってみました。

時代設定は戦国時代で、富士の裾野が舞台です。
武田家の家臣、土屋庄三郎が纐纈布の謎を追って、
また、その土屋庄三郎を追って親類の高坂甚太郎が
それぞれ纐纈城にたどり着くという話と
纐纈城の主や湖の周りで暮らす人々の因縁がからみあって
ストーリーが進んでいきます。

作品の雰囲気がまさに伝奇ロマンで
わたしの中の大正時代イメージにピッタリでした。
なんとなくモダンで、そしてグロテスクです。
河出文庫で読みましたが、裏表紙に載っている作品のあらすじは
あんまり読んでも意味がないように感じます。
作品の世界観がストーリーを超越しているような感じです。

面白いと勧めることは、ちょっとためらいを感じますが
コワいもの見たさというのもありますからね。
2010.12.20 『蒼龍』
山本一力作品の初期の短編集『蒼龍』です。

『のぼりうなぎ』
『節分かれ』
『菜の花かんざし』
『長い串』
『蒼龍』

個人的には、やはり『蒼龍』と『のぼりうなぎ』がオシです。
2つとも、苦労に苦労を重ねていく話ですけど
未来に何かが待っているというような
明るいものを感じさせるストーリーです。

『菜の花かんざし』『長い串』は、
山本一力作品には、少しめずらしい武家の話。

短編が好きながんじがらめマンですので
この作品集は、ススッと読めました。
やっと全十巻読破しました。
司馬遼太郎『翔ぶが如く』です。

最後の3巻は、西南戦争の経過が細かく記されます。
熊本、宮崎、大分、鹿児島と九州の半分が戦場になり
薩摩士族はどんどん追いつめられていく展開です。

特に詳細なのは、熊本城や田原坂の場面で
戦闘の様子が克明です。
こんなところから、戦争の悲惨さが読みとれますが
作家、司馬遼太郎は淡々と進めていきます。

わたしの中では、戦闘の経過よりも
前フリともいうべき、西南戦争への経過のほうが
興味を持って読むことができましたので、
正直にもうしますと、この後半3巻は惰性です。

文明開化は、西南戦争なしには達成できなかっただろうと思います。
明治維新は無血革命ではなかったということを
改めて思い知らされました。
前回の続きで、『翔ぶが如く』です。
西郷どんが下野した後から西南戦争がはじまるまでが
ちょうどこの四~七巻のところです。

大久保利通を筆頭とする新政府の動きが
台湾を巡って迷走するなかで
神風連の乱や萩の乱など蜂起が続きます。

主人公の西郷どんと大久保利通以外の
プチ主人公として、川路正之進、宮崎八郎がいますが
彼らの活躍が、時世相をあらわしています。
そして、西郷どんの名声がどんどん騰貴していくという感じで
乱を望むような雰囲気が作られていくということになります。

つぎはとうとう、戦争勃発です。
それにしても、全十巻は長いですねぇ。
やっと手に入れたのが、この『翔ぶが如く』。
言わずと知れた司馬遼太郎作品です。
全十巻なので、内容の区切りで分けて紹介します。
ちなみに、十冊まとめ買いで3000円也。

まずは、三巻までで征韓論決着、西郷下野まで。
幕末の頃からロシアの脅威を感じ続けて
いろんな人たちがアジアの連帯や韓半島進出を
主張してきたわけですが、
明治政府の実情からすると、やっぱり無理だったんでしょうね。

日向国出身のわたくし、がんじがらめマンも
身びいきもあって(?)なんとなく西郷隆盛をひいきにしてますし、
やはり西南戦争については、戦場になったお国柄ですので
非常に興味があるところです。

それにしても、司馬遼太郎作品は読ませますね。
評論みたいな感じで説教臭いところもありながら
やっぱり「見る目の確かさ」があるな、と感心します。
2010.12.01 『新地橋』
連作短編集の『深川澪通り木戸番小屋』シリーズから
第3冊目の『新地橋』です。

性格に難のある人物でも、
迎え入れてくれる木戸番小屋。
そんなエピソードが多いのがこの作者の特徴でもあります。
人物を見る目が非常にたしかなんでしょうね。
この『新地橋』でもそんな
性格描写が面白い短編が多い気がしました。

なかでも最後の短編『十八年』が印象に残ります。
腕がよく将来を嘱望されていた家具職人と
気が利かないが味のある家具をつくる職人。
長い奉公のあとで、気がつけば立場が逆転していたという
そんなストーリーです。

解説がジャズミュージシャン世界のナベサダ。
この解説も面白いですよ。
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