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『知恵伊豆に聞け』は松平信綱の伝記で
中村彰彦作品です。

忠義の士として三代将軍家光に仕える様子を
さまざまなエピソードを交えながら
話が進んでいきます。

若いころのエピソードが面白いのと
島原の乱がメインエピソードになっています。
小学校のころから算数をみっちり学んでいるわたしたちと
遜色ない発想力や機知が「知恵伊豆」たるゆえんですね。

正確なところはわかりませんが、
考証がしっかりしてるな、と
感じられるところがたくさんあり
読んでいて勉強になりました。

この作品では由比正雪の乱があっさりと描かれていますので
つぎは、山本周五郎作品で反乱側を追ってみたいと思います。
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古本屋で100円だったので買いました。
司馬遼太郎作品の『果心居士の幻術』です。
6つの短編が入っています。

表題作の『果心居士の幻術』
戦国の有名な忍者の話、『飛び加藤』
新選組の松原忠司の粛清を描く『壬生狂言の夜』
神武のヤマト神征を描く『八た(漢字でへんが尺、つくりが只)烏』
藤原広嗣と盗人の奇妙な関係を描く『朱盗』
院政期の真言僧が主人公の『午黄加持』です。

後半3編がとくに印象に残りました。
神武神征の道案内をしたとされる八た烏を主人公にしている
『八た烏』ですが、八た烏を海族と出雲族の混血児として
屈折した感情をもつ人物として描いています。
この短編集の中では、次の『朱盗』と並んで
出色の出来だと思います。

『朱盗』も広嗣と墓盗人の穴蛙の関係が
滑稽でもあり、ふしぎでもあるという興が深い話です。
祖父の代からの墓盗人の穴蛙の遠大な計画が
乱を起こした広嗣を愚に帰らせるあたり、
作者の腕を見る気がしました。

司馬遼太郎は長編もいいですが、
長すぎてちょっと途中で飽きますので
短編のほうが読みやすいように思いますね。
岳宏一郎作品の『蓮如夏の嵐』です。

唐突ですが、がんじがらめマンはこの作者の
比喩力がとっても好きです。

で、この作品は再読なのですが、
初めて読んだときは、正直に言って
よくわからないままでした。
人間・蓮如を描きつつ、浄土真宗中興の祖としても描き出す
少し難しい作品であることが理由だと思います。

今回は、『親鸞』に続けて読んだせいか
真宗の教義などが囓った程度にせよ、知識として
頭に残っていて割とすんなり読めました。

蓮如の40代から物語が始まりますが
作者の鋭い人間洞察や真宗への知識などに
感心させられます。
また、蓮如自体も80歳過ぎても子作りに励むという
ある意味バケモノみたいな存在であり
人間的には矛盾に満ちた、
非常に魅力に富んだ人物ということも感心しました。

戦国時代、下克上の先駆けの一つの例としても
興の深い作品じゃないかな、と思います。
吉川英治作品の『親鸞』です。
読むのに少々時間がかかってしまいました。
浄土真宗についての知識は
母校が真宗系の大学であったこともあり
まあまあだと思っております。

作品自体は、ストイックに道を追求するストーリーで
同時期に著された『宮本武蔵』に通じるものがあります。
また、ライバルとして親鸞に張り合う
天城四郎や播磨坊弁円などのエピソードが
物語の起伏を作り出していますし
一番最後のエピソードで唯円が出てきて
余韻を残すあたりもストーリーテラーである
作者ならではです。

しかし、主人公がお坊さんであるということから
ストーリー展開が似たようなエピソードの繰り返しに
なってしまいがちで
作者の他作品に比べるとやや面白味に欠けると思います。
杉本苑子作品の短編集『悲劇の風雲児』です。

『瑪瑙の鳩』
『太子の恋』
『影の男』
『野の帝王』
『血と恋の物語』
『身中の虫』
『火焔浄土』
『悲劇の風雲児』の8作品が収録されています。

『瑪瑙の鳩』は仲哀天皇と神功皇后の時代です。
この時代の作品をわたしがんじがらめマンは
読んだことがありませんので、びっくりしました。
しかも、神功皇后が仲哀天皇を暗殺し、
応神天皇が武内宿禰と神功皇后の子供であるという
大胆な筋書きを渡来人司馬康視点で描かれます。
予備知識が少ないので、これが定説なのでしょうか?

次の『太子の恋』は悪名高い武烈天皇が
なぜ狂ってしまったのかを描いた作品。
継体の物語を黒岩重吾作品で紹介したと思いますが、
大伴金村がキーマンになっています。
ちょっと武烈天皇に同情を禁じえないようなストーリー。

で、神代の時代から平安時代までを網羅した短編集で
そのあとの作品は藤原仲麻呂と橘奈良麻呂、
平将門兄弟、安部貞任と源義家、源平の時代と続きます。
これらの作品はほかの著者の作品で良いのがありますので
短編では正直物足りない感じですが
『身中の虫』『火焔浄土』の2作品は
池頼盛、俊寛と同時代を描きますが、着眼点がいいです。

とくに、『身中の虫』が白眉で
清盛と頼盛の兄弟の確執とコンプレックス、
清盛が本当の伊勢平氏を後世に残すためにという遠謀が
味わい深い作品になっていると思います。
塩野七生作品で昭和45年の作品なんですね。
『チェーザレ・ボルジアあるいは華麗なる冷酷』です。

前回紹介の『逆光のメディチ』から少し時間をおいた
1500年ごろのイタリアの話です。
ロドリゴ・ボルジアが教皇アレッサンドロ6世となって
引き立てていく私生児のチェーザレ。
チェーザレははじめ枢機卿となって活躍しますが
還俗して領土を増やし、イタリア統一を目指します。

同時代作品を読んでいたおかげで、
すっと時代背景も頭に入りました。
イタリアは19世紀まで統一国家ではなく
都市を中心とした勢力単位であったということと
ヨーロッパの歴史は世俗の権威と宗教権威があるため、
政治的には非常に複雑なので、
ある程度の予備知識がないと深く楽しめない面があると思います。

ただ、そのようなことを抜きにしても
大国や教会の権威を巧みに利用しながら
みずからの野望実現に向けて突き進んでいく
チェーザレの生涯が起伏に富んでいて魅力的です。
西洋も読んでるがんじがらめマンです。
藤本ひとみ作品の『逆光のメディチ』は
ちょうど日本でいえば応仁の乱のころですから
紹介してきた嘉吉の乱後くらいにあたります。

イタリアのフィレンツェが舞台で
自らを少女に仕立てたレオナルド・ダ・ヴィンチが語る
という体裁をとってメディチ家の兄弟
ロレンツォ・イル・マニフィコとジュリアーノを軸に
パッツィ家の反乱騒動を描く作品です。
主人公はダ・ヴィンチが自らを仮託した少女アンジェラです。

時代背景がわかっているとさらに楽しめる内容になっていて
教皇とメディチ家の対立とそれに乗じて
復讐を図るレオーネ・ディ・メディチや
ボッティチェルリ(作品内ではルは小さい字に)や
ヴェロッキオ親方などの芸術家たち
のちのスペイン人教皇、ロドリゴ・ボルジアなど
多彩な人物の登場も興味を引きます。

はじめて藤本ひとみ作品を読みました。
服飾にまったく造詣がないわたくし。
単語の意味をしらべながら読みましたが
後半はすっ飛ばして読みました。
なんとなく、西洋を題材にとった作品は
淫靡な雰囲気があるのが、
わたしのなかでの共通した印象なのですが
裏切られませんでした。

ほかの作品も読んでみたいな、と感じました。
安部龍太郎作品『彷徨える帝』です。
結構長い作品ですので、更新に時間がかかりました。

時代は嘉吉の乱に向かう、6代将軍義教の時代です。
北朝側は今川家の朝比奈範冬、南朝側は北畠宗十郎の
2人が主人公になっています。

後醍醐天皇が呪いをかけて打った3つの面と
南北合一のあと、約束が践まれなかった
南朝の巻き返しの動きや幕府側の反動が
関東公方の動向や有力大名の離反と相まって
複雑に絡み合いつつ物語が進行していきます。

そのためか、前回読んだときと同様
読書スピードがかなり遅くなってしまいました。
正直に言うと、初読の時はあんまり面白い作品とは
思えなかったのですが、今回
読み返してみると、少しは作品世界への
理解が深まった感じはします。

この作品は伝奇小説として楽しむのが良いと思います。
話が長いので、現在は分冊されて発行されていたと思います。
私が持っているのは750ページを越すぶっとい文庫で
ブックカバーぎりぎりの厚みです。
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