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吉川版『宮本武蔵』を読み終わりました。
七巻と八巻の解説は続きもので
いろんな作者の宮本武蔵を比べる内容です。
そこにあるように、後世の基本になっているのが
この吉川英治『武蔵』ですけれども
読み始めると本当にはまってしまいましたね。
武蔵や又八、お通と一緒に最後のシーンを迎えるみたいに
自己投影をしていました。

七巻は柳生家との関係と武蔵の幕府お抱えの話が
立ち消えになる経過が関東を中心に描かれ、
八巻は武蔵が壁にぶち当たって悩み、愚堂和尚に
ついて京都までやってくる苦悶の様子と
悩みを突き抜けて、最後のクライマックス
小次郎との決闘でしめくくられます。

又八は江戸で悪事がばれてしまいますが
沢庵和尚に助けられ、百叩きにあって江戸かまいになり
岡崎で愚堂和尚の弟子に入りまして、
大阪で朱実を邂逅するということで見事に
立ち直ることができました。
又八は本当にいいキャラクターです。

最後はみんなハッピーエンドを迎えるので
ちょっとできすぎな感じもしないでもありませんが
時代を超えた名作ですので
長いですけれども、ぜひたくさんの人に読んでほしい作品です。
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六巻まで読んでくることができました。
土日のほとんどは読書の時間でした。

さて、吉岡一門との戦いを終えた武蔵は
五巻で中山道をお通、城太郎と進んできますが
心のすれ違いからはぐれてしまいます。
六巻では、江戸を過ぎて下総法典ヶ原で
新弟子の伊織と農業を通して修行に打ち込み
数年して江戸に出ます。

夢想権之助とのエピソードや
城太郎と奈良井の大蔵のいきさつなどが
出てきて、後半の伏線がつくられていきます。
このほか、半瓦の一巻きと佐々木小次郎が
小幡流軍学の面々と争いながら
小次郎も江戸で一花咲かせようと活躍してきます。

クライマックスに向けて小次郎と武蔵が
火花を散らし始めるのもこのあたりからです。
武蔵の修行が深みを見せるのもおもしろくて
特に、お通に振られて滝に打たれる
エピソードがいいですよね。
武蔵も人の子です。
『宮本武蔵』三巻と四巻です。

三巻では、武蔵が伊勢、京都と旅をして蓮台寺野で
吉岡清十郎と対決し、その後、本阿弥光悦との交流。
四巻では、続いて光悦との交流、三十三間堂での
伝七郎との戦いと続いて、吉野太夫とのエピソード、
一乗寺下がり松での決闘が描かれます。

武蔵はどんどんストイックになっていき
それをめぐるお通と城太郎、朱実、又八、お杉婆の絡みが
吉川英治の筆の冴えですよね。
とくに、五条大橋での武蔵小次郎の初の対面が
非常に、面白い一つのヤマになっていると思います。

また、本阿弥光悦や吉野太夫との交流が
これまた剣の道に邁進する武蔵を
違った面から精神的な成長を助けるのに
ポイントになっていますよね。

わが又八はというと、お杉と出会い改心するかと思うと
逃げ出しては、小次郎にウソがばれたり
お通を殺そうとして、赤壁八十馬を殺したり
相変わらずの迷走ぶりです。
そして、四巻の最後には再びお杉から逃げ出しました。
煩悩の子ですね。

全然話は変わりますが、講談社の吉川英治歴史時代文庫で
『宮本武蔵』を堪能しています。
巻末エッセイも著名人がわんさか書いていて面白いです。
吉川英治作の古典ともいうべき『宮本武蔵』。
4回目か5回目で読み返しています。
そのうち、一巻と二巻を紹介します。

関ヶ原戦後、落ち武者となった武蔵(たけぞう)と又八。
有名な冒頭シーンですね。
一巻では、沢庵との出会い、お通との決別「花田橋」
そして、前半を彩る吉岡一門や城太郎との出会い
二巻では、奈良の般若野での決闘、柳生の庄でのこと、
宿敵佐々木小次郎お目見えと続いていきます。

ハラハラしながらも人間的に共感を覚えるのは
武蔵よりも又八ですね。弱い人間の代表として
描かれる又八が転落していく様は、
自分を見ているようでこわいくらいです。

それから、吉川作品特有の奇縁ともいうべき
偶然が非常に楽しいです。
お甲のもとから逃れた又八が破れ寺で出会う
城太郎の父、青木丹左衛門とか
柳生の庄にやってきてお通と邂逅する沢庵とか
そんな偶然ある??ということが
これからもたくさん出てくるだろうと思います。

全8巻ですから、まだまだ先は長いです
じっくり紹介していきますよ。
シリーズ第4弾の『お尋者』です。
何が楽しいかって紋蔵が首を突っ込む
事件が次々にでてくることでしょうか。

解説の繰り返しになるとは思うのですが、
「お尋者」という言葉は何気なく使っていますが、
きちんとした意味がわかるし、そのように
ストーリーが展開するのも面白いです。

前作で貰い子として藤木家にやってきた文吉から
手掛かりを得る『明石橋組合辻番』は
途中でどんな展開になるのかな、と思っていると
とんでもない結末が待っていましたし、
『越後屋呉服物廻し通帳』はダークな終わり方だったりするなど
ひねりがとても利いていて、楽しい読書です。

脇役の大竹金吾は定廻り同心です。
紋蔵のいい友達なのですが
今作では、ちょっと浮き沈みがはげしいので
そこもカンどころのひとつかな、とも思います。
佐藤雅美作品の居眠り紋蔵シリーズ3冊目『密約』です。
「密約」というのは短編の題にはなっていません。
それでもこの3冊目までの大きな流れとしては
一つの区切りになっているといえますし、
題名としてもぴったりだと思います。

自分の首を掛けて父親が殺された謎を追うという
大きなテーマがありますが、
それぞれの話を1つ1つ切り離しても面白いですし
話の流れの中で急に鰻丼ができたエピソードが入っていたりと
江戸時代を満喫することもできます。

で、主人公の藤木紋蔵はというと、
必死で父親の死にまつわる事件を追いますが、
「密約」に阻まれてしまいます。
そこは、これまでも丸く収まる方向で
事件を解決してきた紋蔵ですので、ね。

連作短編集なのでこの3冊目から入るのもアリだと思います。
江戸の風俗がうかがえて、その意味でも面白い作品集です。
2009.10.18 『五年の梅』
乙川優三郎作品の『五年の梅』は
5つの短編が収められています。
そして、この作品集で山本周五郎賞を受賞したそうです。

『後瀬の花』
『行き道』
『小田原鰹』
『蟹』
そして表題作の『五年の梅』
それからこの作品集の解説(新潮文庫です)がいいです。

『後瀬の花』は、駆け落ちしたカップルが
醜い言い争いをしているのですが、
設定がとてもひねってあります。
初めて読んだときは、「これどうなん?」と思いましたが
読み返してみると、なかなか面白いな、と感じることができました。

『行き道』『小田原鰹』は再生の物語。
とくに『小田原鰹』の鹿蔵はとっても嫌なやつ
なのですが、ラストでは幸せな気持ちになれます。

『蟹』『五年の梅』は武家が舞台になっています。
『蟹』は包容力のある男が清々しいです。
『五年の梅』は殿様が嫌な奴に見えるほど
主人公助之丞の一徹が好もしいです。

なかでもやはり表題作だけあって
『五年の梅』が一番感動的でした。
解説にある通り、転回が利いた話が多く
読んでいてとても惹きこまれます。
ぜひ、ご一読を。

2009.10.18 『雲奔る』
雲井龍雄を描いた『雲奔る』です。
奥羽越列藩同盟には、欠かせない人物ですね。
郷里を大切にする藤沢周平の手になります。
教科書などでは軽く触れられる程度なのではないでしょうか。
がんじがらめマンも、大学生になって
奥羽越列藩同盟に関する本を読んで、
初めて知った人物ですから。

さて、主人公の雲井龍雄は米沢から
江戸に出て安井息軒門下となり
幕末から維新にかけて論客として活躍します。
その流れの中で、薩摩のやり口に憤りを感じ
日本史ではまあまあ有名な『討薩の檄』を著して
列藩同盟の思想をリードするのです。
そういった過程を丁寧に追っていき
夢破れ、冤罪を着せられて罰せられるという
悲劇が描かれます。

ちょっと暗めのトーンで重い印象の小説ですので
軽い読み物としては適さないでしょうね。
本日3回目の更新です。

がんじがらめマンの敬愛する山本周五郎作品
このブログでは初紹介です。
本屋さんで「初文庫化!」の帯を見つけた時に
迷わず購入したのがこの『美少女一番乗り』です。

『歔欷く仁王像』
『和蘭人形』
『身代わり金之助』
『鳥刺しおくめ』
『戦国会津唄』
『半化け又平』
『蒲生鶴千代』
『誉れの競べ矢』
『梅雨の出来事』
『美少女一番乗り』
以上、十編が収められています。
『梅雨の出来事』は再録で
新潮文庫の『朝顔草紙』にも収録されています。

解説を読むと『少女倶楽部』という雑誌に載せられていたのが
ほとんどを占めていて、そのせいか
『蒲生鶴千代』以外はすべて女性が主人公です。

ミステリ仕立ての短編あり、
お説教じみた短編ありで多彩さを感じます。
また、『半化け又平』は『雨あがる』に
通じているように感じました。

他の有名作品と比べると見劣りするように
思えますが、 この年まで散逸していたことと
戦争中の作品ということもあって
いろいろ考えると興趣があります。

また、読み返したくなってきますね。
シリーズ第3冊目の『ねこのばば』です。
若だんなと妖たちが活躍するはなしですが、
『茶巾たまご』
『花かんざし』
『ねこのばば』
『産土』
『たまやたまや』
の5つの作品が収められています。

中でも印象に残るのは『産土』でした。
手代の佐助視点で進む話で
佐助の過去が垣間見られます。

『しゃばけ』シリーズは
新潮文庫の解説によると
正統な捕物帖の系譜を引いているそうです。
それぞれにオマージュがあるもんなんですね。
隆慶一郎作品を軸にして読み進んできましたが
今回の『かくれさと苦界行』で区切りにしたいと思います。

『吉原御免状』の続編で、
老中酒井忠清が御免状を手に入れようと
柳生義仙をつかって
吉原の惣名主となった松永誠一郎に挑みます。
そして、柳生の助っ人として荒木又右衛門が登場します。

岡場所を乱立させて吉原を苦しめる経済作戦、
柳生義仙との対決、荒木又右衛門と雌雄を決するラストと
息をつかせないストーリーで非常におもしろく読みました。

とくに、柳生義仙が海で一命を取りとめ
松永誠一郎の諦念を自分のものにするところは
けっこう感動的です。
これだけでも読んだ価値あるかな、と思います。
隆慶一郎の処女作『吉原御免状』です。
とうとうここまで読んでくることができたか、と
ちょっと、うれしくなっていました。

後水尾天皇の隠し子で宮本武蔵に育てられた
松永誠一郎が主人公です。
遊郭の拠点、吉原にやってきた主人公が
吉原がじつは公界であり、いったん足を踏み入れれば
だれもが平等である別天地であることを知り、
御免状の発行者がじつは家康の影武者
世良田二郎三郎であることを知ります。

御免状を取り戻そうとする裏柳生の柳生義仙と
松永誠一郎を後押しする表柳生の柳生宗冬の兄弟の暗闘、
傀儡一族の来歴や元北条家臣の幻斎こと庄司甚内など、
隆慶一郎作品群のエッセンスが詰まっていて
読んでいてとってもワクワクします。

吉原の太夫のしきたり、格式なども非常に興味深いです。
京都の島原ではいまでも輪違屋などがあり、
ツアーなども組まれています。
京都の場合は、太夫さんは本当に五位の位ですからね。
ちなみに、がんじがらめマンは
京都の奥座敷に住んでながら、行ったことありません。
2009.10.14 『黄金の華』
『黄金の華』は火坂雅志作品です。
ちょうど『黒衣の宰相』の姉妹作品のような感じですかね。

主人公は後藤庄三郎で東京の銀座や
日本銀行の跡地にゆかりのある人物です。
というのも、彼は金銀改役として
徳川家康のブレーンとして活躍したからです。

この作品が『黒衣の宰相』の姉妹作品と思えるのは
時代背景がほぼ重なることと
女性がらみで人生が変わっていく点や
ライバルとしのぎを削っていく点など
話の筋立ても結構似ているように感じるからです。
江戸時代の初めを経済の視点からとらえているので
その点二つの作品を押さえておくと
このころのことがよくわかりました。

風祭の吉次と松木鹿之助いう登場人物が
よい感じで描かれていると思います。
火坂作品はこういう人物を登場させるのも上手ですね。
宮本昌孝作品の『風魔』です。
文庫になるのを今か今かと楽しみにしていて
やっと読むことができました。

タイトルのように風魔小太郎が主人公です。
小太郎は後北条氏滅亡後、
古河公方である氏姫を守るために
活躍する忍びとして描かれます。

書きたいことはたくさんあるのですが、
ちょっと書きつくせないくらい非常に面白い作品です。

太閤秀吉の忍び曽呂利新左衛門、
徳川の服部半蔵、柳生又右衛門
そのほか、唐沢玄蕃、湛光風車
神崎甚内、鳶沢甚内、庄司甚内の三甚内など
忍びが入り乱れての大活躍や
佐竹義重、伊達政宗、小笠原貞慶などから
誘いを受けても決して節を曲げない
小太郎のすがすがしさなど魅力満載です。

あとは、章タイトルにもすべて風が関係する
言葉が使われるなど、こだわりもおもしろいです。

眠れない秋の夜長にぴったりだと思います。
隆慶一郎作品に戻ってきました。
『花と火の帝』は絶筆となった作品です。
まだまだ続きそうなところでの絶筆ですので
非常に残念で、また作者にとっても無念だったでしょうね。

主人公は八瀬童子の岩介とタイトル通りの
帝=後水尾天皇です。
悪役は徳川秀忠と柳生という共通のパターンです。
天皇は呪術の総帥というところから
剣や策の戦いよりも呪術の戦いが多くて
イマジネーションの世界なのですが
破天荒さが突き抜けていて非常に読んでいて楽しい
その意味ではマンガチックな作品だと思います。

しかし、解説に詳しいのですが、
マンガチックと一概に言えないほど
史料や学説をとっている上に、
天皇が主人公になっていることで
天皇制を見つめなおす作業も真剣に行われたみたいです。

猿飛佐助、霧隠才蔵といった真田の残党忍び、
呪術師の朝比奈平左衛門といった仲間の活躍も楽しく
読みだすと止まらなくなります。

興味を持った方はぜひ一読を。
自分で自分の首を絞めている
隆慶一郎作品にそった読書ですが、
趣味で本読んでるのに、なぜ苦しまんとあかんのか?
という疑問にさいなまれる今日この頃。

紹介するのは、浅田次郎作品『お腹召しませ』です。
箸休めが続きまして、もう完全に「おやつ」ですな。

表題作『お腹召しませ』のほか、
『大手三之御門御与力様失踪事件之顛末』
『安藝守様御難事』
『女敵討』
『江戸残念考』
『御鷹狩』
の6作品が収録されている短編集です。

がんじがらめマンとしては、同じ短編集でも
『五郎治殿御始末』よりも粒ぞろいだと感じました。
とくに、前半4作品は趣があってよいです。

心に響いたのは『女敵討』です。
本来は武士として恥ずべきものとされたらしい女敵討ですが
主人公は妻とその愛人を許します。
というのも、自分も妾との間に一子をもうけていたから。
そして何より、当時の夫婦の愛情の所在と
惚れたはれたの愛情の所在の違いが感動的です。

どの作品にもそれにまつわる作者のエピソードというのか
トピックスというのか、エッセイ風に冒頭と終わりに配されています。
下手な解説を読むよりもずっとこのほうが面白いやり方で
このあたりも浅田次郎の工夫の一つなのかな、と感じました。

長編よりも短編派という人にはおススメです。
大見栄を切って隆慶一郎作品を軸にする
宣言をしたにもかかわらず、
早い話がちょっと飽きてしまったので、
箸休め的な意味で、読んだのが
藤沢周平作品の『たそがれ清兵衛』です。

『たそがれ清兵衛』
『うらなり与右衛門』
『ごますり甚内』
『ど忘れ万六』
『だんまり弥助』
『かが泣き半平』
『日和見与次郎』
『祝い人助八』
の八つの連作短編集です。

八つの作品に共通するのは、主人公が手練であること。
また、それぞれ外見や癖、一種の定見を
周囲から嘲られたり、同情されたりしていること。
『ど忘れ万六』以外は藩内抗争のなかで
刺客の役を意図するしないにかかわらず担うことです。

剣をふるうことで転機を迎えるそれぞれの主人公が
周囲からの軽侮と心の中では格闘しながら
どう「その時」を迎えて行くのかが
非常に面白い作品集です。

なかでも
過去の後悔に決着をつける『だんまり弥助』
嫁の危機を救う『ど忘れ万六』
青春時代の淡い思い出を断ち切る『日和見与次郎』
の3つが印象に残りました。

あとは、藤沢周平作品に共通するのですが
情景が目に浮かぶような風景の描写が
非常に美しいな、と改めて思った次第でした。

がんじがらめマンは見てませんけれども、
『たそがれ清兵衛』は映画化されていると思いますが、
短い作品をどうやって伸ばしたのでしょうね。
ちょっと気になりました。
海音寺潮五郎作品の『加藤清正』です。
しつこく同時代作品を追ってきていますが
私が持っている文庫もそろそろタマ切れです。

読書の時間がなかなかとれなくて
久しぶりの更新となりました。

さて、本題です。
考証家三田村鳶魚の弟子である
(作中にそう書いてありました)
海音寺潮五郎作品ですから
途中でいろいろな時代背景の説明、
当時の風俗などに関する知識が
ふんだんに盛り込まれてあり
勉強になります。
領国経営の章がありますが、築城や治水の方法まで
詳しく描き出して小説の中に
登場させそうなのは、他に吉村昭作品とかでしょうか。

また、この作品に関しては、
創作の人物が出てきません。
これもわたしの読書スピードを落とす
原因の一つでした。
これは、個人的なことですけれど。
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