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『一夢庵風流記』です。
少年ジャンプで漫画化されていましたね。

主人公は前田慶次郎。
隆慶一郎作品では「傾奇者」の快男児として描かれます。
基本的なエピソードは海音寺作品と変わりませんが
順番が少し違っています。
また、前田利家の妻、まつとの不倫や
朝鮮行きが加わって伽姫との恋という
艶のある話が『一夢庵風流記』にはあります。

捨丸、金悟洞、骨といった脇役の活躍も面白く
庄司甚右衛門の若き日の姿もあり、
ファンにはたまらないでしょうね。
文句なく楽しめる作品だと思います。
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海音寺潮五郎作品です。

隆慶一郎作品を軸にすると宣言しといて
次に紹介したのが『戦国風流武士 前田慶次郎』なので
この伏線はばればれでしょうか。

海音寺作品ですけれども、文春文庫の
解説を読んでいると記録に残っている部分と
虚構をうまくミックスさせて話が作られているようですね。
前田慶次郎のいたずらエピソードが
ふんだんに表れていて、しかも
石川五右衛門、名古屋山三郎などが
絡めて描かれているのが興味深かったです。
『見知らぬ海へ』は隆慶一郎作品です。
再読ですが、なぜ選んだのかというと
ら・わ行の作家を紹介しないとな、と思ったからですが
隆慶一郎作品の魅力に取りつかれそうです。

この『見知らぬ海へ』は未完の作品で、
これから面白くなりそうな時に残念ながら
読めなくなっているということになっています。
主人公は徳川水軍を率いる向井正綱です。
描かれているのは、宿敵の北条水軍を打ち破るところまでです。

冒頭では、釣りに行っていたために
家族とともに死ぬことができなかったというエピソードから
海人、いくさ人として海戦をたたかうということで
死を自分に引き付けて生きるという
隆慶一郎共通の主人公の設定になっていますよね。

個々の作品が同じ世界観や設定で
関連付けられて作られているので
この一冊を読んでしまうと、次々に読みたくなってしまいます。

ですからこれからは、隆慶一郎作品を軸にして
いろいろな作品の読書感想を紹介していこうと思います。
2009.08.26 『覇王の家』
徳川家康を描いた『覇王の家』です。
初めて読みました。

徳川家康を中心とする三河武士団の特性を
詳しく書いてある作品です。
本多平八郎の家康評が何回も出てきたり
三河武士の気質が繰り返し出てきまして
ちょっと飽きが来てしまうところもあります。
また、『関ヶ原』『城塞』という別の作品もあり、
その部分はきれいに除いてあって
家康の小牧長久手までと最晩年が描かれます。

司馬遼太郎作品は初期の作品を除くと
創作が減って評伝のようになってくる傾向があり、
この『覇王の家』もそんな感じで仕上がっています。
文章が読みやすいためか、
司馬作品に慣れてしまったためか、
スルスルと読めてしまいました。

勉強のために読んだみたいな読後感です。
宮城谷昌光作品の『太公望』です。
全部で3冊なのですが、ぐいぐい読んで
土日が仕事だったのにもかかわらず
すぐに読了してしまいました。

『王家の風日』を読んですぐだったのと
2つの作品世界(というのでしょうか?)に
おおきな破綻がなく、当然時代背景が
よく飲み込めたまま読めたのが良かったと思います。
といっても、『太公望』を読むのは3回目くらいですが。

主人公の望が命に関わる危難を乗り越えて
族長として成長していく姿が楽しい作品です。
また、呂族の生き残りの6人が生き別れになるのですが、
次々に望のもとに集まってくる様子や
呂族に加わる元山賊、元奴隷などの成長を
望が導いていく姿など、いろんな要素があって
ストーリー展開が非常に巧みです。

しかしながら、おもしろいのは中巻あたりまでで
下巻の周に属してから、特に牧野の戦い以降は
わたくしがんじがらめマンにとっては付け足し感覚でした。
創作が多い部分にやっぱり惹かれるみたいですね、私。
これは、個人的な感想でして、この作品を
こき下ろしているわけではありませんので、あしからず。
宮城谷昌光作品の『王家の風日』です。

読み返してみますと、使われている
漢字がけっこう難解だったりするので
気になる人には、辞書が手放せないと思いますが、
漢字を雰囲気で読める人はサクッといけるのではないでしょうか。

前回紹介した『封神演義』と同じ時代の話で
商の箕子が主人公になっています。
視点がおもに革命をされる側に立っていますし
商最後の王である紂王が悪逆の限りを尽くす
あるいは妲己の悪女ぶりというのが強調されない点で
中国史を専攻していたという
わたくしがんじがらめマンの期待をいい意味で裏切られました。

また、この作品は作者の初期の作品なのですが
後発の『太公望』のストーリー展開や設定が
変わらないという点で、はじめから『太公望』を
作品化することがなんとなく構想されてたのかな、と感じました。
こう感じたのは、三読でやっとなので
いつもながらいい脳味噌してるな、と思ったりして。

というわけで次は『太公望』読んでみたいと思います。
作家は不詳なのですが、安能務訳の『封神演義』です。
いちおう、あ行の作家のカテゴリに入れました。
読み返すのは3回目だと思います。

商周の易姓革命と仙人の争いなどをからめた
宝貝(パオペエ)飛び交うSF大作です。
上中下巻の3巻で100回に分かれていまして
最初のほうはあんまり面白くないのですが
上巻の途中からは仙人たちが丹精込めて作った
宝貝(パオペエ)や仙術をつかった戦いが
繰り広げられて、想像力をかきたてられます。

太公望として知られる呂尚は、名前を
姓とあざなで姜子牙として登場し
中途半端な仙人や仙術を操る人間を殺して
「封神」する司祭として活躍します。
それに崑崙山脈の仙人たちの弟子たちが助力して
下界では周の武王に天下を取らせる
天界では人員整理と仙人同士の争いに決着をつけるという筋立てです。

この物語を考え出した想像力、空想力は
すごいなあと素直に思えました。
仙人やその弟子たち、宝貝などは漢字が難しくて
紹介するのが面倒なのでやめときますが
空想力の賜物です。
中国三千年の歴史ですね。

商周革命に興がわいたので
宮城谷作品を攻めてみたいと思います。
吉川英治『新・水滸伝』です。

北方『楊家将』にインスパイアされまして
読み返してみました。
もう4,5回は読んでいますけれど、
講談調でとんとんとんと進んでいく感じです。

しかし、たとえば
智多星呉用や浪子燕青の年齢など
ところどころ穴があります。
気になる人は気になると思います。

そんな細かいところをものともせず
単なるエンターテイメントとして読むには
楽しいと思います。
水滸伝自体が、面白おかしくすることを
モットーに作られていると思いますので。
『楊家将』の続編です。

前作では、味方の裏切りで
壊滅的なダメージを被った楊家軍ですが、
生き残った六郎、七郎を中心に復活します。

そして、記憶を失ってしまった四郎は
敵国である遼で「石幻果」という第2の人生を
父楊業のライバルだった耶律休哥のもとで
歩むことになります。

遼では記憶を取り戻した石幻果の苦悩や
耶律休哥の父性などが描写され
宋では兄である四郎に立ち向かわなければ
ならなくなった兄弟たちが描かれます。

せん(さんずいに亶)淵の盟に至るまでの
クライマックスまでぐいぐい引き込まれます。
『楊家将』とセットで読みましょう。
北方『楊家将』です。

中国の宋の時代のことで
北漢という国の武将で
宋に帰属した楊業とその息子たちの活躍と
北にある遼という国のしょう(くさかんむりに粛)太后やライバル耶律休哥との
戦いを描く作品です。

楊業の息子たちがそれぞれ成長していくところ、
騎馬隊の陣形の描写などが文体にマッチしていて
ハマることまちがいないと思います。

北方作品では、夢や志がテーマになることが多いですが
この『楊家将』では、主人公の楊業は志を持っているわけではなく
軍人としての生き方を貫くというような描かれ方をしています。
また、さまざまの人物の視点で描かれるのも
おもしろさを引き出していると思いました。

書きたいことは山ほどあるというくらい
文句なく面白い作品であるということだけは言えます。
『銀の館』は永井路子作品です。
室町時代の日野富子を主人公にしています。

悪女として有名な日野富子ですが、
この作品の中では、
夫足利義政との不和や確執などにより、
子を守る母親として
一心不乱に突き進むという人物像になっています。

ですから、応仁の乱での不可解な行動も
わが子義尚の後ろ盾を求めて
有利な味方についたというように解釈されます。

このほか、義政の政治的無能をカバーする、
女としての結婚生活をずたずたにされるなど
公の面では悪名高い金貸し行為に手を染めながらも
足利幕府を支えますが、
私の面では夫との冷えた関係、不倫、そして
手塩にかけて育てた我が子との確執と踏んだり蹴ったり。

そして、
日野富子と対照的な人物として
ゆうかと蘭之介というカップルが描かれています。
この2人は、浮浪の者たちをあつめて一揆をおこしたり、
武器商となって世の中を渡ったりしながら
乱世をたくましく生きていきます。
この2人がこの作品の時代背景をより重層的に
見せてくれるようになっています。

応仁の乱が敵味方が交錯するややこしい事件ですので
教科書的に読むこともできると思います。
2009.08.01 『逆軍の旗』
4つの作品を収める藤沢周平『逆軍の旗』です。

『逆軍の旗』
『上意改まる』
『二人の失踪人』
『幻にあらず』

特に、よかったのは『幻にあらず』でした。
米沢藩を立て直そうとする上杉鷹山を
題材に採った話です。

藩内のクーデター、改革の中心人物である
竹俣美作守当綱を中心に描かれていて
当綱が晩節を汚すところで終わるという
意外な結末ですが、それが珍しいので
余計、印象に残りました。

『逆軍の旗』は、本能寺の変前後の
明智光秀を描いた作品です。
魔がさして本能寺の変を起こし、
洞ヶ峠のところで終わります。

クーデターの誘惑に負け
家来たちを叛逆に巻き込んだことに
無念さを残すという
これも晩節を汚す結末ですよね。

ただ、この2作品以外の2作品は
イマイチ、がんじがらめマンには面白みが
わからない部分もありました。
わたしの頭が悪いか、感覚がずれているか
たぶん、その両方です。
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