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安部龍太郎作品の『風の如く 水の如く』です。
関ヶ原の戦いにまつわる話です。

主人公を誰とは定めにくいのですが
本多正純が黒田如水の陰謀を暴くという形で
陰謀にかかわった、黒田長政、竹中重門、
後藤又兵衛、細川忠興などの回想が
はさみこまれる形でストーリーが進みます。

九州で黒田如水が東軍として豊前豊後を
平らげたのは、天下を制するためだったのか
どのような謀略がめぐらされていたのかが
少しずつ明らかにされていきますので
ミステリー仕立てで読んでいて引き込まれます。

集英社文庫の解説にも載っていますが、
親子の相克や切支丹の国造りなどを
テーマとして話の軸に絡ませてあり
また、回想と尋問などが巧みに織り込まれていますが
そんなに読みにくくもなく、楽しめました。

大胆な解釈が受け入れらるかが、
この作品のカギだと思います。
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海音寺潮五郎作品の『真田幸村』です。

上下2冊ですが、取り扱っている年代は
16,17歳の2年間です。
同じ著者の作品『天と地と』と雰囲気似ています。

父昌幸からの薫陶を受けて成長していく幸村の姿をメインに
信玄の娘、信証尼への淡い恋、
家来でサンカの子供である赤吉の活躍などが
描かれていきます。
特に、赤吉の活躍は吉川英治作品群を彷彿とさせます。

続きが読みたいと思ってしまいますが、
そうなると幸村49歳の大坂夏の陣まで
一体何冊になるのか心配になるほど
スローペースです。
しかし、徳川家康を不倶戴天の敵とみなすまでの
過程が丹念に描かれていますので
そういう意味ではここで終わりもアリですかね。
とはいえ、上田城での戦いまでは
読みたかったような気もしています。

そういう場合は、池波正太郎の
『真田太平記』でしょうかね。
まさかの本日2回目の更新となりました。
われながら、よっぽどのヒマ人です。

中村彰彦『槍弾正の逆襲』です。
これは、短編集でして表題作のほか、
『袖の火種』
『松野主馬は動かず』
『加納殿の復讐』
『醜女の敵討』
の全部で5つの作品が収録されています。

前半の3作品は、戦国時代が舞台
後半2作品は江戸時代が舞台です。

松野主馬については、言わずと知れた
小早川秀秋の重臣で主の裏切り行為に
敢然と逆らった人。
その主馬が80歳になって
旧主の最期の様子を知りたくなるというストーリーで
一番の出色だったように思います。
『醜女の敵討』も、白洲での独白という形で
敵討を明らかにする設定もおもしろかったです。

初めてこの作者の作品に接しましたが
サクサクっと読むことができましたし
筋立てが凝っていて興味深かったです。
司馬遼太郎作品の『最後の将軍』です。
評伝に近い小説です。
そんなに楽しい作品ではありませんが
勉強にはなりました。

徳川慶喜については、そんなに詳しくは
知りませんでしたが、非常に
手先が器用で、理論家だったようですね。
最後まで朝敵になりたくなかったということらしく
だからこそ絶対恭順だったのでしょう。
維新後も渋沢栄一と勝海舟以外の
元家臣にはほとんど会わなかったそうです。

しかし、松平容保や定敬など
会津、桑名をはじめ東北諸藩など
幕府と心中しようと懸命に戦った立場に立てば
命がけで守ってきたのに、
どないやねん。というところでしょうね。
言わずと知れた藤沢周平作品です。
これも古本屋で安かったので買いました。

「馬の骨」という秘剣を探るように家老に命じられた
浅沼半十郎が家老の甥、石橋銀次郎とともに
矢野道場の門弟たちと立合いを行っていきます。

ちょっと毒気のある銀次郎は
門弟たちの秘密をにぎり、それをネタに
本来は手合わせをしない方針の矢野道場の
面々と立合いを行います。
それに半十郎はあんまり賛成はしないのですが
乗りかかった船ということで
見聞役として立ち会うということになっています。

ミステリ仕立てで誰が「馬の骨」の遣い手なのか
また、矢野道場の面々の家庭内に立ち入ったり
半十郎自身の家庭内の問題に悩ませられたり
はたまた、藩内抗争の渦中に引き込まれたりと
筋立てはわかりやすいのですが、読ませる中身です。
遠藤周作『銃と十字架』です。

この作品は前に紹介したことのある
『王国への道』がきっかけで、気になっていました。
古本屋で100円だったので即買い。

小説ですが、フィクションは極力抑えていて
司馬遼太郎『空海の風景』みたいに長い
レポートのようでもありますし
海音寺潮五郎ばりの評伝のようでもあります。

作品の題材はキリスト教と日本人、
転びバテレンと転ばぬバテレンを
ペドロ岐部の生涯を通じて考える、みたいな
ちょっとヘビーな内容です。

しかし、切支丹の殉教の歴史を学ぶには
格好の材料になることは間違いありません。
そして、転びバテレンに温かいまなざしを向ける目も
葛藤や悩みを数多く手がけている作者ならではです。

九州有馬の神学校、ペドロ岐部の劇的な人生や切支丹迫害など
読みでがありますので、この本を手に取る前には
ちょっと気合いが必要と思います。
縮尻鏡三郎の作品集第2弾である
『首を斬られにきたの御番所』です。

主人公拝郷鏡三郎は相思相愛だった
船宿のおかみ、おりんのところに転がりこみ
娘に婿養子をもらって隠居の身になりますが
大番屋の元締めとしてあいかわらず相談ごとに
いそがしくしております。

婿養子の三九郎がだらしなく、娘知穂は
寺子屋の女あるじになってしまい
この作品では三九郎がけっこうトラブルメーカー的に
鏡三郎を振り回します。

紋蔵もそうですが、鏡三郎もいろいろなことに
首をつっこみたくなるようですが
設定の違いからか鏡三郎のほうは
民事が結構多いのかな、という印象です。
あとは、鏡三郎のほうがスケールが大きいようで
老中などの権力者とも対等にやりあっています。
以前に、NHKでドラマになったという
『縮尻鏡三郎』を再読しました。

何回言うねん!と突っ込まれそうですが、内容を
ほとんど覚えていませんでした。
どうせ、いつものことさ・・・。

佐藤雅美作品は好きで結構読んでるのですが
この『縮尻鏡三郎』も江戸時代の司法が大きな軸です。
主人公の鏡三郎は、元勘定方役人で今は
大番屋の元締めという設定ですので
仮牢にかかわることのほか、
結婚のお世話、身だしの二百数十両で解決、
老中の昔のわいろの後片付けなど
いろんな相談が持ち込まれます。

短編の連作集ですので、読んでいて飽きないように
なっていますし、幕末の勉強にもなります。
『難儀でござる』は岩井三四二作品で
8つの作品からなる短編集です。

『二千人返せ』
『しょんべん小僧竹千代』
『信長を口説く七つの方法』
『守ってあげたい』
『山を返せ』
『羽根をください』
『一句、言うてみい』
『蛍と呼ぶな』

まず、題名がおもしろいですよね。
思わずユーミンの曲が頭を駆けめぐる
『守ってあげたい』は、ふたをあけると稲葉一鉄の話でした。

作品集の題名である『難儀でござる』が
共感を持って感じられる作品集でした。
なんとはなしに、自分に当てはめてみたりして。
サラリーマンの悲哀ですね。

今回初めての短編集でしたが、
岩井三四二作品はこれまで読んだ『十楽の夢』とか
以前に紹介した『月ノ浦惣庄公事置書』などの
長編よりも短編のほうが
わたくしがんじがらめマンには
フィーリングにあうのかな、とおもいました。
ま、他の短編集も読んでみないとわかりませんけれど
これは、楽しい読書でした。
『沢彦』は火坂雅志作品です。

沢彦は織田信長の教育係として傅役の
平手政秀に招かれた僧侶です。
岐阜の地名を授け、「天下布武」の印章を
編み出した人としても知られています。

若い頃、駿河の今川義元の政僧である大原雪斎に
あこがれた沢彦は、織田信長に自分の夢
「天下布武」を託し、2人3脚で上洛を果たします。
しかし、比叡山焼き討ちを境にして
師弟の関係がねじれていき、ついに
大量殺戮を繰り返す暴君になり果てた信長に
師匠としての責任を感じるようになります。

前半は、孤独な信長を強引に導いていく力強い姿
後半は信長に疎んじられるようになり苦悩する姿が
対照的であり、面白いところでもあります。
特に、信長の心理が恐怖から驕慢へと変わっていく様子、
ラストの本能寺に向けた沢彦の暗躍が興味深いです。

また、骨董の知識がふんだんにちりばめられているのが
『骨董屋征次郎』のシリーズが思い出されました。

それにしても、濃姫との恋はちょっと飛躍しすぎとちがいますか?
恋に歳は関係ないにしても、いちおう沢彦も僧侶なのですし。
ノリすぎたのかな、と思ってしまいました。
意外に事実だったりして。
畠中恵作品で人気シリーズ第2弾
『ぬしさまへ』を読みました。

病弱な主人公の一太郎が活躍するだけでなく、
異母兄の松之助のエピソードや
手代の仁吉のエピソードなども添えられて
第2弾ともなると奥行きが出てきたとは
新潮文庫の解説者の言です。

まったくそのとおりで、特に一太郎の兄
松之助のエピソードは、『しゃばけ』のクライマックスシーンを
裏側から描いていることもあって興味深いです。

前にも紹介したように、つるっと読めるのが
良いところでもあります。
黒岩重吾作品である『天翔る白日』を読みました。
サブタイトルは「小説大津皇子」。

大津皇子は天武天皇死後、謀反の罪に問われて
命を落とした悲劇の皇子です。
その大津皇子が、人望を集めていくにしたがい
皇后鵜野讃良(のちの持統天皇)に警戒され
追いつめられた結果、謀反に問われるという
その経過を追っていきます。

大津皇子と争う草壁皇子、皇后鵜野讃良が
非常に悪役に見えます。
実際、罠を仕掛ける役回りのため陰湿です。

小説は大津皇子の最期で終わりますので
描かれませんけれども
草壁皇子は2代の天皇(天武、持統)の皇太子だったのですが
皇位につくことなく天武が亡くなって3年後に
早世してしまいます。
皇后にすれば、なんやったん?という話です。

前段が長くて、やや冗長に感じられたのと
大津皇子の追いつめられる過程での心の屈折、
謀反計画の挫折にもっと
踏み込んでいてもよかったのかな、というのが
わたくしがんじがらめマンの感想でした。
浅田次郎の短編6作品が収録された
『五郎治殿御始末』です。
新潮文庫と中公文庫(うろおぼえです)の2つが
あったのですが、よく見てみると
値段が違っていたので安いほうを選んだという
エピソードつきです。
ふつうは、出版社が違っても単価は同じものなので
ラッキーと思って新潮のほうを選びました。

全作品に共通するのが、御一新のあとの
武士たちの身の処し方についてがテーマになっていることです。
非常に面白い趣向やな、と感じます。
6つの話のうち、印象に残っているのは
特に『箱館証文』『西を向く侍』です。

『箱館証文』は、一連の戊辰戦争のときに
千両で命乞いをした「証文」をめぐって
つぎつぎに証文を持つ人が現れるという話。
ユーモアが効いていて楽しめました。

『西を向く侍』は、太陰暦から太陽暦に変わるときの
混乱と天文方だった武士の気概と悲哀がよかったです。

そのほかの作品については、コメントしませんが
文庫の帯にあるように、「リストラ」がテーマになっていて
ほのかに哀感がただよう作品集です。
佐藤賢一作の『カポネ』を紹介します。
作品が扱っている年代が1920年代から30にかけてなので、
正直いって紹介するのをためらいましたが
「ま、いいか」で載せることにしました。
例えば、これが山本五十六などだったら
載せるかな、と思ったからです。

言い訳はおいといて

有名なアルカポネは、映画などでおなじみですが
がんじがらめマン自身は、
この作品がはじめてでした。
独特の言い回しなど佐藤賢一ワールド全開で
非常に楽しめました。

上巻が第1部でアルカポネ視点
下巻は第2部でエリオットネス視点で描かれていきます。
特に、裁判のシーンでは作者の『王妃の離婚』を
彷彿とさせられました。
また、この作者のエロシーンが比較的少なく
個人的には、そこも良かったんじゃないかと思いました。
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