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遠藤周作作品の『王の挽歌』です。
九州の戦国大名、大友宗麟が主人公の作品です。

生まれながらの名家の跡継ぎは
家督争い、家臣の裏切りなどで
猜疑心の塊のような心の持ち主に成長し、
心の救いを求めてキリスト教入信を果たします。

叛いた家臣の妻を手籠めにする一方
宗教に大きく心を傾けるなど
振幅の大きい心情をもつ宗麟。
かなり重たいテーマです。

広い領国を治めることが手に余るようになり、
豊臣秀吉の九州征伐を仰ぎますが、
宗麟の死後には、大友家の本国豊後も失います。

歯ごたえのある内容で、
読むのに時間はかかりましたが
心理描写が非常に巧みで面白い作品です。
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2012.02.03 『侍』
遠藤周作作品の長編『侍』です。
ここ何冊かは、やわらかい感じの作品を読んでたので
思い切り歯ごたえのあるシリアスな作品を読みました。
そしたら、読了まで相当時間がかかってしまいました。

主人公は、藩主から命じられて
海を渡った武士、長谷倉と
スペイン人宣教師のべラスコの2人です。

メキシコ、スペイン、ローマと
7年にも及ぶ苦難続きの旅の果てに
キリシタンの洗礼まで受けて、
藩主の意向を果たそうとした長谷倉たちに
非常に過酷な運命が待ち受けています。

野心家の宣教師と物静かな侍。
使命を果たせなかった2人は
その帰路で、心が通じ合うというのか
連帯感が生まれ、ラストは感動的です。

解説によると、ルイス・ソテーロ神父と
支倉常長がモデルとなっているとのこと。
管理人自身、この遣欧使節については
あまり詳しくは知りませんでしたが、
この作品がかなりのところまで
真実に迫っているのではないかとおもえるくらい
リアリティがある作品です。

重い感じの小説なので、それなりの覚悟(?)で
読書に臨むほうがいいかもしれないですよ。
狐狸庵先生こと遠藤周作作品の『反逆』。
戦国時代が舞台となっている小説です。

第1部の位置づけだと思われる「裏切り」は荒木村重を中心に
第2部的な「雌雄を決す」は群像劇的に描かれています。
ということで、基本的には織田信長が中心軸です。

反骨心、裏切り、嫉妬、懊悩といった心のひだを
荒木村重、高山右近、羽柴秀吉、
明智光秀、前田利家といった有名人物から、
作者の先祖から造型された竹井藤蔵、
キリシタン学校から侍に還俗(というのでしょうか?)した堀井右三郎
丹波の波多野党の残党与平などの人物にいたるまでの
それぞれの視点から描き出していきます。
また、村重の妻だし、光秀の娘さとなどの女性目線もあって
かなり重層的な長編に仕上がっています。

個人的には時代物の遠藤周作作品のトップではないかと思ってますし、
上下2巻にわたる長編ですが、
いつも、けっこう読み終わるの早いです。

内容がかなりシリアスで、タイトルがそれこそ『反逆』ですから
本格的な作品が読みたいときにはピッタリだと思います。
遠藤周作作品の『決戦の時』です。
坂口安吾『信長』と同時代、同テーマの作品です。

正統スタイルのほうの遠藤周作作品なので
面白みを求めるよりは、生真面目さを求めるに
ピッタリな感じで話は進んでいきます。
ただ、この『決戦の時』は西洋やキリスト教が全く絡みません。
この作者の歴史物では珍しい部類だと思われますが、
いかんせん他の作品をあんまり知らないので、
たわごとなのかもしれませんね。
ファンの人、ごめんなさい。

上巻では若年からの信長の孤独や苦悩を通して
四隣の状況を魔王になることで突破しようとしていく
青年君主が描かれていきますが、
下巻では信長の視点から秀吉や川並衆、お市の視点が
増えてきて、酷薄な信長が浮き彫りになってきます。

自分の身内をどれだけ滅ぼすねんという
ラストあたりのお市の反抗がおもしろいのと
川並衆の乱波働きが詳細なのが特徴ではないかと思います。

まじめな小説が好きな人向けだとおもいます。
最近、外国かぶれのがんじがらめマンは
遠藤周作『王妃マリー・アントワネット』を読みました。
いちおう言っておきますが、次も関連作品を読む予定です。

オーストリアからフランス皇太子に嫁いできた
14歳からギロチンの露と消えた37歳までの生涯を
描いていきます。

さて、この作品は裏の主人公として
マルグリットという娼婦がカギになっています。
同じ年代の娘として、富の象徴である
マリー・アントワネットに憎悪を抱き
悪の道に進んでいき、革命で流される血に酔うという
アンチマリーの象徴です。

また、革命のために地位をなげうってしまうけれども
暴力反対の先鋒に立つあまり人殺しをしてしまうアニエス修道女
マルグリットの恩人で売笑宿の女主人、兎のおばさんなど
女性が主人公の非常に読み応えがある小説です。

サド侯爵や詐欺師カリオストロのエピソードも面白いです。
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