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山本周五郎作品の短編集『おごそかな渇き』です。

わたしが所持している山本周五郎作品の
新潮文庫全巻のなかで
『青べか物語』や『季節のない街』などの
現代ものを除けば、
紹介する最後の作品となります。

『蕭々十三年』
『紅梅月毛』
『野分』
『雨あがる』
『かあちゃん』
『将監さまの細みち』
『鶴は帰りぬ』
『あだこ』
『もののけ』
『おごそかな渇き』

以上の10作品が収録されています。

どの作品もおもしろいのですが、
『雨あがる』『かあちゃん』『将監さまの細みち』
『あだこ』『もののけ』あたりが特に好きです。

『野分』や『将監さまの細みち』は
自分だけが幸せになっていいのか、という
庶民の心映えが胸に迫ってきます。
その反面、『鶴は帰りぬ』では
茶屋の娘がいろいろなしがらみを捨てて幸せになる話で
それはそれで、感動します。

とにかくこの短編集では、
下町もの、武家もの、岡場所もの、平安ものなど
いろいろなバリエーションが楽しめると思います。

『おごそかな渇き』は現代もので
しかも作者の絶筆、未完の作品です。
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『樅ノ木は残った』は山本周五郎作品です。
NHK大河ドラマにもなったことがある、名作です。

伊達騒動を題材とした長編で、
主人公は原田甲斐です。
幕府の諸藩お取り潰し政策に
果敢に対抗し、悪名を背負いながら死んでいく
感動モノの作品だと思います。

主人公を取り巻く脇役のなかでも
個人的には宮本新八が好みです。
道を踏み迷った挙句に、一念発起
芸人の道へと進んでいきます。
人の弱さ、もろさを体現しているかのようです。

何度も読み返しているこの作品ですが、
違う視点からということで、
海音寺潮五郎作品の『列藩騒動録』と併読しました。
その中で『樅ノ木は残った』の説は採らない、
というようなことが書いてあります。
そのあたりに、山本周五郎の
小説を作る作者としての
アプローチのおもしろさが感じられました。
久しぶりの更新となりました。
読書をしていないわけではありませんが、
手持ち在庫はほぼ紹介し終えましたので
また、再読の日々が続いております。

さて、山本周五郎作品の『ひとごろし』です。
10の短編が収められています。

『壺』
『暴風雨の中』
『雪と泥』
『鵜』
『女は同じ物語』
『しゅるしゅる』
『裏の木戸はあいている』
『地蔵』
『改定御定法』
『ひとごろし』

秀作ばかりですべてを紹介できませんが、
こっけいものの『女は同じ物語』や
『しゅるしゅる』『ひとごろし』はやはり面白いです。
それだけではなく、
シリアスな『裏の木戸はあいている』や
『雪と泥』のような作品もあり、
魅力あふれる短編集じゃないかなと思います。

ありきたりの言葉しか書けませんので
ぜひご一読を。
2013.07.09 『日日平安』
山本周五郎短編集『日日平安』です。
武士もの、岡場所もの、こっけいもの
下町ものなどなどいろいろな
バリエーションの物語を楽しめます。

『城中の霜』
『水戸梅譜』
『嘘ァつかねえ』
『日日平安』
『しじみ河岸』
『ほたる放生』
『末っ子』
『屏風はたたまれた』
『橋の下』
『若き日の摂津守』
『失蝶記』

どの作品も秀作ばかりですが、
個人的には下町ものの『嘘ァつかねえ』などが
やはり好みでしょうか。
この作品に似たオチの『陽気な客』は現代ものですが、
かなり筋立てがちがっており、
そういう楽しみ方もできました。

こっけいものの『末っ子』も
固定観念の被害者という話なのに
こっけいものだけあって、非常にユーモアがありますし、
岡場所ものの『ほたる放生』は
一転シリアスなお話で、
ダメな男に惚れてしまう、哀しい女性が主人公です。

ひさしぶりに周五郎作品を読んだので
やっぱり、おもしろいなぁというのが
率直な感想でした。月並みですみません。
山本周五郎作品の『深川安楽亭』です。
12の作品が収められています。

『内蔵允留守』
『蜜柑』
『おかよ』
『水の下の石』
『上野介正信』
『真説吝嗇記』
『百足ちがい』
『四人囃し』
『深川安楽亭』
『あすなろう』
『十八条乙』
『枡落し』

武家ものから下町もの、こっけいものなど
幅広いジャンルの作品があります。
法の不条理を描くシリアスな『十八条乙』、
不気味な感じの一場面もの『深川安楽亭』
諧謔に満ちた『真説吝嗇記』など
楽しめるのではないでしょうか。

なかでも個人的に好きなのは『百足ちがい』です。
腹にすえかねたことを「三つなぎ」で
我慢していくということから、
いつの間にか「間に合わない」男になってしまった
又四郎のおはなしです。
ハッピーエンドが楽しいです。
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