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2013.11.18 『一所懸命』
岩井三四二作品の『一所懸命』です。
6つの短編を収録した作品集です。

『魚棚小町の婿』
『八風越え』
『一所懸命』
『渡れない川』
『一陽来復』
『となりのお公家さん』

どの作品も戦国時代が題材となっています。
しかし、有名な人物が主人公という
作品はなく、村の「オトナ」や
小領主などが主人公となっている作品がほとんどです。

『一所懸命』と『渡れない川』は
一つのいくさを美濃と尾張の両側から
描いた作品となっていて
なかなか面白い趣向だと思いました。

講談社文庫の解説にもありますが、
中間管理職の悲哀みたいなものが
感じられる作品ばかりであり、
特別ではない誰かにも
それぞれの人生があり、
決断があるというような
テーマが底辺に流れています。
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関ヶ原の戦いを描く短編集
岩井三四二作品の『とまどい関ヶ原』です。
同時代を扱った岳宏一郎作品『群雲、関ヶ原へ』を
読んだ後で本作品を読みました。

『大根を売る武者』
『百尺竿頭に立つ』
『松の丸燃ゆ』
『日本一幸運な城の話』
『草の靡き』
『すべては狂言』
『敵はいずこに』
『十九歳のとまどい』

タイトルやこれまでの来歴から
ユーモアのある作品集かな、と
思っていましたが、
見事に裏切られてしまいました。

関ヶ原の戦いに臨んだそれぞれの
主人公の哀しみや迷いが描かれた
リアルな短編集に仕上がっている印象です。
その点で『群雲、関ヶ原へ』と
共通しているのかな、と思いました。

どの話も小身の大名や陪臣など
徳川家康や石田三成など
関ヶ原の戦いのメインを担った人ではないですが
それだけに、読みがいのある作品だと思います。
戦国時代の作品を続けて読んでます。
岩井三四二『逆ろうて候』です。

主人公は美濃の侍、日根野弘就。
斎藤家に仕えた後、浪人して
今川家、浅井家、本願寺、織田家と
主人を転々と替えていきます。

若いころの織田信長を、何度も
撃退してきたことから信長をライバル視、
本願寺の長島一揆に加わるまでは
織田陣営に反抗続けます。

侍の日常の仕事などが細かく描かれ、
浅井家を退転した理由が
領地のいさかいが原因になっているなど
戦争ばかりが侍の仕事では
なかったことも取り上げられていますし、
浪人の悲哀なども、興味深く書かれています。

また違った戦国時代の一面が見られますよ。
岩井三四二作品の『踊る陰陽師』です。
5つの話が収められた連作短編。
サブタイトルが「山科卿醒笑譚」ということで
公家の山科言継とその家来、大沢掃部助が
いちおうの主人公です。
もっとも、ストーリーテラーは
短編ごとに変わっていきます。

それぞれに悩みを抱える人たちに
掃部助と山科卿が相談に乗ってやります。
でも、なにかと話がこじれかけながら
なんとか解決していく過程が、
非常に面白おかしく描かれていきます。

とにかく掃部助と山科卿がセコイんです。
まあ、戦国時代の公家は貧乏が相場で
山科卿は薬を作って売っているという
内職を糊口をしのいでいる様子も面白いです。

当時の世相がわかる作品に仕上がっていますよ。
岩井三四二作品で庶民のたくましさを
描いた好編の『清佑、ただいま在庄』です。
連作短編のような感じです。

室町動乱の時代の和泉国、逆巻庄という
大きなお寺の荘園が舞台になっております。

そこに赴任してきた代官の清佑や
湯女の新(あたらし)、中間の与六、
地付きの孤児だったおきぬなどが
日常のいろいろな事件と格闘する姿が
かなり、共感を持って読むことができます。

まあ、とにかく代官と村人たちとの駆け引きや
田んぼの地券や水利など、
昔なら日本全国どこででも見られたであろう、
また田舎なら今でもあるような話ばかりです。

庶民の生きる力がひしひしと感じられる
面白い作品ですので、未読の方はぜひどうぞ。
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