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『金沢城嵐の間』は安部龍太郎作品の
短編集です。

『残された男』
『伊賀越えの道』
『義によって』
『金沢城嵐の間』
『萩城の石』
『生きすぎたりや』

以上の6つの作品が収められています。

それぞれ、窮地に陥った武士たちが
どのようにふるまったのか、
難関を乗り越えようとする意志みたいなものが
テーマになった作品が多いです。

文春文庫の解説にもあるのですが、
ラストがブツッと終わって
幕切れになっている話もいくつかあり、
それが余韻となっているのに特徴があるかな、と思います。

有名、無名の侍たちがどう
生きようとするのか、あるいは
どう死のうとするのか。
緊張感のある作品です。
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日本通史を短編で切り取る、『血の日本史』。
安部龍太郎の作品です。
磐井の乱を描いた『大和に異議あり』から
大久保利通暗殺の『俺たちの維新』に至るまで、
46の短編が年代順に収録されています。

46もあるので、一つ一つの作品名を羅列しませんが、
面白かった作品だけを挙げます。

伴大納言の有名な事件を、目撃者視点で描く『応天門放火』
前九年、後三年の役がテーマの『北上燃ゆ』『陸奥の黄金』
俊寛僧都の悲哀の独白が印象深い『鬼界ヶ島』
実朝と母の擁する北条氏に対する葛藤を描いた『八幡宮石の階』
誰にも言い寄られなかった女官の復讐、『姦淫』
初代市川団十郎が非道に斃れる『団十郎横死』
絵島にひそかに心を寄せる男の気持ちが切ない『絵島流刑』
そして、最後の『俺たちの維新』と
基本的に、悩み苦しんだ姿や心の動きに焦点を当てた作品が
印象に残っております。

おそらくこの『血の日本史』だけを読んでも
日本の歴史はわからないでしょうが、
時代は変わっても人間の心映えはそんなに
変わらないんだろうということは
わかるんではないでしょうか。

それにしても、安部龍太郎という作家の腕には驚かされます。
解説によると、毎週1作を連続して掲載したそうです。
安部龍太郎短編作品集『バサラ将軍』です。
「ばさら」という言葉でお気づきの方もあるとおもいますが、
南北朝、室町の時代がテーマになってます。

『兄の横顔』
『師直の恋』
『狼藉なり』
『知謀の渕』
『バサラ将軍』
『アーリアが来た』

作者の初期の作品ばかりが集められてますが、
衝撃を受けてしまったのは『知謀の渕』。
映画で言うところのノワールです。
すごいオチで「マジで?」ってなりました。
竹沢右京亮の悲劇をご堪能ください。

変わり種では『アーリアが来た』も面白いです。
初めて来日した象さんをめぐる話です。

文春文庫の解説にあるように
硬軟取り混ぜた短編集ですので、飽きずに読めました。
いまはインターネットなどで手に入ると思います。
2010.06.01 『浄土の帝』
前回紹介した『絵巻』から少し時代を前にずらして
後白河天皇が主人公の『浄土の帝』です。

後白河天皇の前半生として
即位から保元の乱、そして平治の乱が描かれます。
院政の全盛期のなかでの父子の相克、
皇位継承と権力争いと
混乱した時代を、後白河天皇は
庶民の味方「心の王」をめざしていきます。

出家してからは、トカゲのしっぽ切りよろしく
陰謀がばれては、ばっさばっさと
近臣を切り捨てていくイメージでしたが、
この作品でもその片鱗は見せつつも
あるべき姿を追い求める青年君主として造型されています。

平安末期の様相が非常にわかって面白いです。
朝廷中心の視点なので、
親しみのある時代ながら、斬新でした。

平安時代は300年近く死刑のなかった時代だったのですね。
公家たちの無能とか荘園など搾取の時代とはいうものの、
こういうことはもっと評価されても
いいのかななんて思ったりします。

というわけで、
次は大作『新・平家』にチャレンジしたいと思います。
全16巻ですので、挫折せずに読めるか?心配です。
更新は2巻ずつか3巻ずつか、そこは適当にやろうかと。
細川幽斎が主人公の作品です。
『関ヶ原連判状』。
安部龍太郎作品です。
『風の如く水の如く』の構想をさらに
練り上げたように見えます。

信長暗殺に秀吉が一枚噛んでいたという
ところから、細川幽斎が
古今伝授を通した朝廷への工作と
関ヶ原の第三勢力構築をめざす
大胆な解釈で描かれています。

ただ、史実に合わせるために
忠興と幽斎の不和であったり
大団円の仕掛けであったりに
すこし難があるかなと思えるのですが
面白く読めます。

とくに公家のあり方や暗闘などが
よくわかって面白いと感じました。
通説とは違った視点から
関ヶ原を覗くことができますので
どっちかというと玄人向けかもしれません。
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